“脳内お客さま”になっていませんか?頭の中のユーザー像はだいたい”ズレる”
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
頭の中で作った「お客様像」は、思っている以上に現実とズレます。そのズレを前提に、最初は観測気球のつもりで小さく試し、反応とデータを見ながら素直に軌道修正していくと、余計な遠回りが減っていきます。
「脳内のお客様像」は、だいたいズレます
売り手側が思い描くお客様像と、現実に選ばれている理由の乖離は、毎年のように強く感じます。想定していた層とは違うところで選ばれていたり、想定外の使われ方で人気が出たりします。
アクセス解析や問い合わせの中身を眺めると「信じていたペルソナと違う」という瞬間が必ず出てきます。中小企業白書の成功事例を読んでいても、思いがけないところから芽が出た、という表現が繰り返し登場します。
ズレるのは、現代の環境がそうさせるからです
昭和の頃と比べて価値観が増え、それが受け入れられる空気も濃くなりました。SNSで人と人の情報交換の密度が上がり、予測しにくい発想が生まれる速度も上がっています。
数人の頭の中で「こういう人が買うはずだ」と処理し切れる時代ではなくなっているからこそ、ズレること自体を悪者にしないほうが話は早いのです。
最初から作り込みすぎない。反応を見て直す
大事なのは、最初からカチッと固めすぎないことです。
想定外が転がっている前提で、出てきた反応を素直に受け取り、必要なところを直していく。この姿勢があるだけで、プロジェクトの歪みは小さくなります。
計画に執着すると、現実の解釈がねじれていきます
計画を練った人ほど「自分のプランで成功した」という形を作りたくなります。想定外が起きた瞬間に計画を守るための微調整や別解釈を積み重ね、外への説明を計画の延長に押し込めようとしがちです。
現実とのギャップが大きいほど、そのねじれは次の判断にも残ります。データがはっきり示すなら修正が必要で、「頭の中は現実と違っていた」と認められる人が、結果を残す確率は上がります。
最初の一手は「観測気球」でいい
最初から初期プランを練り上げ、ウェブサイトや印刷物まで一気に作ってしまうのは危ういです。「ウェブサイトのリニューアルありき」で話を進める提案は順番が逆になりやすい。
まずは今のサイトの改修の範囲で反応が取れる形を見つけ、そのデータを根拠に投資を厚くしていくほうが外しにくい。見た目だけ変えても、実態が変わらなければ反応は変わりません。
ペルソナとPDCAは「仮置き」に戻す
ペルソナは、最初から精密に作り込むものではありません。方向性を揃えるための道具として、いったん置く——それだけで十分です。
PDCAも同様で、計画(P)を重くしすぎると計画に縛られます。まず観察のために動き、反応を見て判断する。OODA(観察→状況判断→意思決定→行動)を回す前提のほうが自然です。
昔からある「反応を見てから作る」やり方
これは今だけの話ではありません。20〜30年前、ファクスやチラシ、ダイレクトメールが中心だった時代のダイレクトマーケティングでも、同じ考え方が基本でした。
いきなり商品開発をするのではなく、どこにニーズがあるか、どの切り口が反応を取れるかを確かめる。低コストなガイドブックを用意して申し込み数や感想を集め、そこから商品を作っていく。分からないところは分からないまま始め、データが取れるように回していく——歴史のある、堅実なやり方です。
私自身も、思い込みを外すたびに胃が痛いです
私も40を過ぎています。思い込みの溝が頭の中に走っている自覚がありますし、価値観の更新も追いついていないと感じる場面があります。現場の打ち合わせで「違った」と気づいたら、仕切り直します。
「すみません、間違っていました。もう一度提案させてください」と言い直すのは悔しいですし胃が痛い。それでも、必要なことだと思っています。
関連リンク
- 中小企業白書 | 中小企業庁
- 2025年版「中小企業白書」全文 | 中小企業庁
- [GA4] ユーザー属性の詳細レポート – アナリティクス ヘルプ
- [GA4] Google アナリティクスのコンバージョンとキーイベントの違い – アナリティクス ヘルプ
よくある質問
ペルソナは最初に細かく作り込むべきですか? 私は、最初は仮の代表像として置けば十分だと考えています。反応とデータを見ながら更新していく前提にすると、判断が軽くなります。 想定外の反応が出たとき、どう扱えばいいですか? まずは「ズレが出るのが自然」と受け止めて、反応をそのまま見ます。そのうえで、必要なところだけを直していくほうが、ねじれが残りません。 ウェブサイトのリニューアルは、いつ判断するのがよいですか? 私は、反応が取れる形が見えたあとに投資を厚くする順番がよいと思っています。根拠がない段階で大きく変えると、ズレたまま整えてしまう危うさがあります。 PDCAよりOODAのほうが良いのですか? どちらが優れているというより、今の環境では「観察から始める」ほうが迷いにくい場面が増えています。計画を重くしすぎず、観察と行動を往復させる意識が役に立ちます。 間違いに気づいたとき、どうやって引き返せばいいですか? 私は、まず自分の認識が現実と違ったことを認めて、提案を仕切り直します。言い直すのはしんどいですが、その一歩が次の判断をまっすぐにします。配信スタンド
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