ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 今回は、 ビジネスの決断に本当に役立つ情報にどうたどり着くか というテーマでお話しします。単に情報を「集める」のではなく、 自分の判断や行動につながる形で情報を“探索する” ための考え方について整理していきます。 この記事で得られること このページを読むと、次のようなポイントが分かります。 ネガティブ情報に振り回されない「いいところ探し」の視点 ─ 世の中の事例や他社の取り組みを見るときに、ダメ出しではなく「ここはいいな」「ここだけ真似したい」を見つけていくための具体的な考え方。 「探す前に考える」ことで、質の高い情報に出会いやすくする方法 ─ なんとなく検索するのではなく、事前に「知りたいことリスト」を持った上で情報を取りにいくための簡単な習慣。 AIやニュース、SNSに触れるときに、自分の感覚を守るコツ ─ ChatGPT や Gemini を含む対話型AI(人工知能)の使い方のポイントと、他人の意見を先に見過ぎないためのちょっとした工夫。 先に結論:情報探索の3つの原則 本文では順を追ってお話ししますが、先に要点だけまとめておきます。 「いいところ探し」をする ネガティブな情報は「これはやらない」という選択肢を減らす役割にとどまりがちです。 他社事例やニュースを見たときは、まず「どこが良いか」「どこなら真似できそうか」を探し、 いいと思った理由と実行までの筋道をその場でメモしておく ことが大事です。 探す前に考える なんとなく情報を探すのではなく、あらかじめ 「知りたいことリスト」を持った状態でニュースや情報に触れる ことで、「これは自分のテーマに関係ありそうだ」というポイントに気づきやすくなります。 ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりとした質問ではなく、 自分の前提や状況を踏まえた具体的な問い にしていくことがポイントです。 まず自分の感覚で考える SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコメントやレビューを先に見過ぎると、自分の感覚が分からなくなりがちです。 まずは 自分はどう感じたのか を一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れることで、 自分のレーダーやアンテナを鍛えていく ことができます。 情報収集ではなく「情報探索」に切り替える なぜ「情報をたくさん集めているのに決断できない」のか 情報は集めているつもりなのに、いざというときに 「結局どれを選べばいいのか分からない」「行動に移せない」 という感覚はないでしょうか。 私自身も、自分の情報の取り方を振り返る中で、「ここに1つ、分かりづらいけれど原因があるな」と感じるようになったポイントがあります。それが、 「情報収集」と「情報探索」を混同してしまっている という点です。 「情報収集」という言葉から自然に行ってしまいがちなスタイルは、たとえば次のようなものです。 すぐに役に立ちそうなノウハウやテクニックを 大量の情報の中から「宝探し」のように見つけ出して そのまま“ポン付け”しようとする ただ、このやり方だと、たとえ「すぐ使えそうなノウハウ」が見つかったとしても、 他の人も同じ情報にたどり着いていて、優位性にならない 自分の状況と本当に合っているかどうかの判断があいまい そもそも「そのまま使えるノウハウ」自体がそんなに多くない といった問題が出てきます。 ではどうすれば、 自分の判断や行動につながる形で情報を“探索”して見つけていけるのか 。ここが今回のテーマです。 「情報収集」と「情報探索」の違い まず、言葉の定義をはっきりさせておきます。 概念 イメージ 情報収集 目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージ。 情報探索 先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげていくプロセス。 同じニュースを読んだり、同じ本を開いたりしても、 「ただ眺める」のか、「自分の判断のために読み解く(自社ならどう応用できるかを考えながら読む)」のか で、得られるものはだいぶ変わります。 この前提を押さえたうえで、ここから「情報探索」を実践するための2つ(+1)のポイントを整理していきます。 ポイント1:情報の「いいところ探し」をする ネガティブ情報が増えやすい理由 今の世の中を見ていると、ニュースサイトにしても、SNSにしても、多くの情報が ネガティブ寄り になっていると感じませんか。 分断や対立をあおるような話題や、感情的なぶつかり合いのようなやり取りの方が、どうしても注目を集めやすいからです。その結果、SNSやネットニュースの世界では、ネガティブな情報や炎上しそうな話題が拡散されやすくなり、誰かを批判したり、何かを否定する情報が目に入りやすくなっていると感じます。 当然ですが、 経営やビジネスの判断 に使う情報としては、これだけではどうしようもありません。むしろ時間の無駄になることさえあります。 ネガティブな情報は、「これはやってはいけない」という 選択肢を減らす役割 にはなりますが、 「では何をやるのか」というストレートな行動にはつながりにくいことが多い からです。 ネガティブ情報は「選択肢を減らす」役割にとどまりやすい 例えば、100個の選択肢があるとします。ネガティブな情報は、 「この2つは危ないからやめておこう」「このパターンだけは避けよう」 といった形で、せいぜい1〜2個の選択肢を消す役割を果たしてくれます。もちろん、それにも意味はありますし、重要な役割です。 ただ、100個あった選択肢が98個になっただけでは、 次に踏み出す一歩はまだ見えてきません 。そこで意識したいのが、 「いいところ探し」 です。 「ここはいいよね」を意識的に探す 他社の事例やニュース、誰かの意見を見たときに、 最初から粗探しをしない 。これがとても重要です。 具体的には、次のような視点で見ていきます。 「いろいろあるけれど、ここはいいな」 「この決断はすごいな」 「この部分だけなら、うちでも真似できるかもしれない」 どんな情報であっても、大なり小なり、 ここでこういう決断をしたのはすごい この場面でこうやって人を動かしているのは参考になる この一部分だけ切り出せば、うちでも試せそう といったポイントが、どこかに潜んでいることが多いです。 そこを意識的に拾っていくと、「やってはいけないこと」を知るだけでなく、 「やってみてもいいこと」の候補が増えていきます 。 そしてこの「やってみてもいいこと」は、ネガティブ情報のように「無数の選択肢の中からいくつか選択肢を消すだけ」ではありません。 「これをやってみよう」というダイレクトな行動に直結しやすい情報 です。ポジティブに選んだ情報ほど、行動に結び付きやすいと考えています。 1. その場で言語化しておく ここで1つ注意点があります。「なんとなくいいな」と思っただけでは、 時間が経つとその感覚を忘れてしまう ことが多いです。 そこでおすすめなのが、次のような「考えの筋道」を、その場で軽くメモしておくことです。 なぜ自分はそれを「いい」と感じたのか どこが魅力的に映ったのか どんな場面でなら自社でも試せそうだと思ったのか ポイントは、 完璧な分析をする必要はまったくない ということです。 「多分こういう理由でいいと思ったんだろうな」という程度で構いません。 あとから見返したときに、自分の頭の中でどういう連想が起きていたのか、どの順番で「これやってみようかな」という気持ちになったのかが分かるくらいで十分です。 2. 「自分のやりやすい形」でメモを取る このときのメモ方法は、本当に何でも大丈夫です。 スマホのメモ帳に、思いついたことを打ち込む 紙のノートに、殴り書きで箇条書きしておく 移動中などは、音声で録音しておく 私自身は、 打てる状況ならメモ帳に打ち込み、難しいときは音声で録音 しておいて、あとから生成AIにまとめてもらうことが多いです。 昔は「音声を録ったあとに、もう一度聞き返して、自分で書き起こす」のが大変でしたが、今は ChatGPT や Gemini などの 対話型AI に読み込ませれば、要約や整理を任せることができます。 音声で話すと、 自分でも意外だった考えや感情が、そのまま言葉として出てくる ことがあります。頭の中を丸ごと取り出しておける感覚があって、メモとしてはとても相性が良いと感じています。 3. 「その場で考える」と実行につながりやすい もう1つ大事なのは、 いいと思ったその場で、実行までの筋道をざっくり考えておく ことです。 「あとで時間があるときに考えよう」とメモだけ残しても、そのときの感情や熱量は薄れてしまい、結局手を付けないまま終わってしまうことも多いからです。 「いいところ探し」をしながら、その場で、 自社ならどこを真似できるか 最初の一歩をどこに置くか 誰を巻き込めば動き出せそうか といったことを軽く考えて、 理由と合わせて記録しておく 。これだけでも、情報を「読んで終わり」から、 「読んで動く」状態に近づけていくことができます 。 ポイント2:探す前に「何を知りたいか」を考える 「なんとなく探し」では良い情報に出会いにくい 次のポイントは、 情報を探す前に、何を知りたいのか先に考えておく ということです。よく「仮説と検証」と言われますが、その 情報バージョン のようなイメージです。 「何かいい情報ないかな」「これに役立ちそうなものないかな」と、 ふわっとした気持ちのまま情報を探していると、なかなか良い情報に出会えません 。 人間のアンテナには限界があるので、全方位に広げたままだと、本当に必要なものをキャッチしにくくなります。いわば「無指向性」よりも、「このテーマを中心に見ていく」と 指向性を持たせた方が良い のです。 「知りたいことリスト」をつくっておく そこでおすすめなのが、 自分の「知りたいことリスト」をつくっておく ことです。難しいものではなく、 今、事業で気になっていること 近いうちに決めないといけないテーマ いつか深掘りしたいと感じている論点 といったものを、思いつくままメモに書き出しておくイメージです。 そして、それを 毎朝さっと眺める くらいで構いません。全部を覚えておく必要はありませんが、「自分は今こういうことを知りたがっている」という情報が、 潜在意識の方に入っていきます 。 すると、ニュースを読んだり、人と話したりしているときに、「あれ、これはあのテーマに関係あるかもしれない」「この事例は、あの悩みに引っかかるな」といった形で、 自然と「ピコーン」と反応しやすくなっていきます 。 毎回、「この情報は自分のどのリスト項目に当てはまるか」を頭の中で照合するのは現実的ではありませんが、 事前に方向性を決めておくことで、感度が上がる イメージです。 ニュースを見るときの「問い」の持ち方 例えば、ある会社のニュースを見たとき、事前に「知りたいことリスト」が意識されていると、次のような問いが自然と出てきます。 「なぜこの会社はこの対応を選んだんだろう」 「この結果になる前の段階では、どんな意思決定があったんだろう」 「この立場の人は、このときどう感じていたんだろう」 ここから先は、 自分の「思考の鎖」をつなげていく作業 です。 対話型AIに「思考の鎖」を乗せて質問する 最近であれば、ChatGPT や Gemini のような 対話型AI に対して、 「このニュースのこの部分について、似たような事例はないか」「この決断に至るまでに、どんな選択肢や背景があり得るか」 といった形で質問を投げ、 引用付きの情報を出させる ことで、関連情報を広げていくこともできます。 重要なのは、 最初の問いがふわっとしていないこと です。 「うちにとって一番いい施策を教えて」といった、条件も前提もないオ