第578回: 情報収集を仕事の決断につなげる2つのポイント|いいところを探し、考えてから調べる
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第578回: 情報収集を仕事の決断につなげる2つのポイント|いいところを探し、考えてから調べる

Kaynak Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

いろいろ読んだり調べたりしているのに、なかなか実行に結びつかない。いいと思った記事を保存しているけれど、後から使うことが少ない。そういうことはありませんか。

今回は、自分の決断につながる情報をどう探すかについて、二つのやり方をお伝えします。一つは「いいところを探す」、もう一つは「探す前に考える」です。私自身の情報の集め方を見直していて、この二つで得られるものが変わるなと、改めて感じたんですね。

Point1 : 悪いところだけでなく、取り入れたいところを探す

世の中で目に入りやすい情報は、どちらかというとネガティブなものが多いと感じませんか。何かを批判したり、感情を刺激して対立を起こしたりする情報は、どうしても注目を集めやすいですよね。

ただ、経営や仕事で何かを決めようとするとき、「これは駄目だ」という情報だけでは、なかなか先へ進めません。例えば選択肢が100個あって、ある情報から「これはやらないほうがいい」と分かったとします。それはもちろん気づきですが、選択肢が99個や98個になったところで止まっているわけです。

それに対して、「ここはいいな」「これはうちでもやってみたい」と思える情報は、まず試してみる候補になります。事例や他の人の意見を見たら、最初に「この中で、自社が取り入れたいところはどこか」を探してみてください。

「これはうちではできない」「あの会社だからできたんでしょう」と思うこともあるでしょう。でも、その中にも「ここでこう決断したのはすごい」「この場面で人を動かせたのは参考になる」という部分があるかもしれません。全体をそのまままねできなくても、この点だけなら自社でも試せる、という見方です。

もちろん、危険なものや、どう考えてもよくないものまで肯定しようという話ではありません。ノウハウや事例を見るときに、欠点を探して終わるのではなく、使える部分も探していただきたいんですね。

いいと思ったら、その理由まで一緒に残す

記事に、なぜうまくいったのかが詳しく書かれていないこともあります。なんとなくいいと感じたけれど、その理由は自分で考えなければ分からない。そういう場合もありますよね。

そのときは、「自分はこう考えたから、いいと思ったのだろう」と筋道を付けておくだけでも違います。自分の推測ですから、確定した情報として扱うわけではありません。それでも、なぜ魅力を感じたのか、どうすれば自社で実行できそうかをつなげておくと、後から使いやすくなります。

いいと思ったその場で、理由と実行までの考えを残し、記事と一緒に保存してください。後になって「これをどう実行しようか」と考えようとしても、そのときの気持ちや、自分がどこに引っかかったかは忘れてしまいます。

メモ帳に打っても、ざっと手で書いても、声で残しても構いません。私は文字を打てる状況なら打ちますし、難しければ音声で残して、後からAIで整理することもあります。

個人的には、声でメモを残すのは結構お勧めです。しゃべっているうちに、自分でも考えていなかったことが言葉と一緒に出てくるんですね。ただ、場所を選ぶ方法でもありますから、自分がその場で残せるやり方でよいと思います。

そのまま使えるノウハウを探すことだけに時間を使わない

「情報収集」という言葉から、どこかに落ちている、すぐ役立つノウハウを拾ってくるようなイメージを持つことがあります。そのまま自社へ取り付ければうまくいくものを探す、という感じです。

でも、そんなに都合のよいものは、あまりありません。もしあっても、すでに他の人も使っていることが多いでしょう。見つけた情報を自分の状況とつなげながら、実行できる考えへ近づけていく、と捉えてみてください。私は「情報収集」より「情報探索」と考えたほうが、やっていることに近いと思っています。

対話型AIを使うときも、同じようなことを感じます。「うちにとって最高のものを教えて」とざっくり聞いただけでは、自分が実行できる案になりにくいんですね。こういう状況で、ここが気になっていて、それならこうではないか。そんなふうに考えをつないでいく必要があります。

いいと思った情報と、そこへ至るまでの過程が書かれていれば、一緒に取っておく。書かれていなければ、自分がなぜそう思ったのかを、その場で考えて残す。保存するものを少し変えるだけでも、後で実行へ移すときの使い勝手は変わってきます。

Point2 : 探し始める前に、何を知りたいか考える

もう一つは、少し違う切り口です。「何かいい情報はないかな」と探す前に、自分は何を知りたいのかを考えておきましょう。

これは私自身、気づいたらやっていたことなのですが、なんとなく全方位へ目を向けていると、必要な情報を見つけにくいんですね。「この場面で使える、こういうことが知りたい」と考えておくと、読んでいる途中でも気づきやすくなります。

自分が知りたいことをリストにして、日頃から目を通しておくことをお勧めします。全部覚えていなくても構いません。朝や通勤途中に、さっと見るくらいでもよいと思います。

知りたいことは、一つ二つではなく、10個、20個とあるかもしれません。何かを読むたびにリストと一件ずつ見比べるのは現実的ではありませんから、普段から「こういうことが気になっている」と意識しておくんです。

そうすると、一つのニュースを見たときにも、「なぜここでこう対応したのだろう」「この会社がこの結果になったとき、現場はどうなっていたのだろう」と、気になる場所が変わってきます。関係者の中でも、この立場の人はどう思っていたのか。そこまで知りたくなるかもしれません。

気になったところを、次に調べる問いにする

知りたいところが見えてきたら、それに合う情報を探しに行きます。この話なら別の雑誌や本を読んでみよう、詳しそうな知り合いに聞いてみよう、社内にも分かる人がいそうだ、と考えていけますよね。

対話型AIを使って調べる方法もあります。ただし、情報を作ってしまうことがあるので、出てきたものをそのまま信じないことが前提です。引用元のある情報とAIによる推論を分け、自分に都合のよい意見だけを集めないようにしてください。

2025年11月にこの話をした時点では、私は有料プランで上位のモデルを使ったほうが、調べた結果の品質が違うと感じていました。ただ、有料だから出力をそのまま信頼してよいということではありません。引用のない情報は信頼せず、どこまでが事実で、どこからが推論なのかを分けて扱う必要があります。

自分が知りたい背景を伝えて、「似た事例はあるか」「この点について情報はないか」と聞き、その結果からまた考える。自分の意見に合わせてもらうだけでなく、反対の意見も聞く。そうやって少しずつ調べていく使い方です。

AIを使わなくても、考えてから情報を探し、また考えて誰かに聞くという順番は同じです。ただ次々と情報を入れるよりも、自分がどう考えて、なぜ次の情報を必要としたのかが分かる状態で進められます。

他の人の評価を見る前に、自分はどう思ったかを確かめる

二つの話に、もう一つ補足すると、私は何かを見たときに、他の人の意見を先に見ないようにすることもあります。

SNSやニュースサイトでは、その出来事に対して他の人がどう思っているかが、すぐ目に入ってきますよね。それを先に見てしまうと、自分が違う感想を持ったときに「自分のほうがおかしいのでは」と考えてしまうこともあると思います。

まず自分はどう思ったのかを確かめ、その後で他の人の意見と比べてみてください。他の人の意見を取り入れないという話ではありません。自分が事実を誤解していたなら直せばよいですし、自分の考えの先にある深い見方なら、それを取り入れればよいんです。

でも、最初から人がどう思っているかだけを吸収していると、自分で探し、考える練習にはなりにくいと感じます。これは映画や漫画でも似ていますね。人の評価を先に見てしまうと、いろいろつまらなくなることがあります。自分の感覚で見る時間は、残しておきたいところです。

次に読む情報で、一つ試してみる

情報を探しても実行につながらないと感じているなら、次に読む記事で、取り入れたいところと、その理由をその場でメモしてみてください。そして、その先に何を知りたいかが出てきたら、次の情報を探す前に言葉にしておきます。

いいところを探すことは、私には別の意味でもお勧めしたい方法です。対立や批判ばかりに触れていると、気持ちが荒れてしまいますよね。でも、いいところを探してみると、参考にしたいものや、素敵だと思えるものも見つかります。

経営や仕事が厳しいときほど、ご自身が倒れてしまっては続けられません。そういう意味でも、悪いところを見つけて終わる読み方から少し離れて、いいところ探しと、考えてから探すことを試していただければと思います。

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