第294回:Webコンサルの観点で押さえる2021年度中小企業白書の要点
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は、2021年度の中小企業白書をWebコンサルの視点で読むと何が見えてくるかを整理します。WebやITの話から少し離れて見えるかもしれませんが、そもそもそれらは経営課題を解くための手段です。だからこそ、白書をどう読むかは、そのままWeb活用の考え方にもつながります。
倒産件数が抑えられている一方で、頑張り続けてきた経営者や支える側の疲れはかなりたまっています。そんな時期だからこそ、派手な手段の話ではなく、会社がどう変わると前へ進みやすいのかを押さえておく意味があります。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
- WebやITは経営課題を解く手段であり、数字と戦略から逆算して使うべきだと分かる。
- 変化には経営者から現場までの巻き込みと、無理のない速度でのリテラシー向上が欠かせないと整理できる。
- 企業文化を言い訳にせず、コアバリューから変化の方向を決める必要があると見えてくる。
- 成功事例は手段を真似るのではなく、裏の準備や偶然の当たり方まで読むべきだと分かる。
WebやITを目的にしない
白書を読むときに最初に押さえたいのは、WebやITやDXそのものを目的にしないことです。経営や販売の課題が先にあり、それを解くために使うのが手段です。
経営課題から逆算して手段を選ぶ
事例を見ると、デリバリーを始めた、オンライン化した、リモート対応に切り替えた、といった手段が目に入りやすいです。でも本当に見るべきなのは、その会社が何を変えたかったのか、何を守りたかったのかです。手段から入ると、同じことを真似しても外しやすくなります。
数字を見ない施策は続かない
手段を正しく選ぶには、財務や利益の考え方・方向性も欠かせません。どれくらい投資できるのか、どこまでなら広告費をかけられるのか、一人のお客さんがどれだけ価値を生むのか。こうした数字を見ないまま「とにかく安く集客する」に走ると、本来取れたはずのお客さんを他社に渡し続けることになります。
会社全体を巻き込む
白書から見えてくる大きな前提は、変化は担当者一人では起こせないということです。経営者だけが頑張っても、現場だけが頑張っても足りません。
経営者だけでも担当者だけでも足りない
販売から生産まで、上から下まで、会社全体が一体になって動けるかどうかが重要です。特にブランディングでは、売る時に語っていた内容と、実際に届いた体験がずれると一気に信頼を失います。だから、変化は一部門だけの話にしてはいけません。
無理のない速度でリテラシーを上げる
デジタル化も同じです。紙文化が強い会社にいきなり大きな仕組みを入れると、できる人とできない人に分断が生まれます。Excelやシステムの使い方を無理のない速度で教え、不満や悩みを聞きながら進める方が、結局は早いです。急いで入れて反発や派閥を生むより、全体をゆっくり底上げした方が長く効きます。
企業文化を言い訳にしない
「うちは昔からこうだから」という言い方は、変化の場面ではかなり危ういです。白書の事例でも、変化に対応できた会社ほど、そこにしがみついていません。
今まで通りを守るほど弱くなる
企業文化を守ること自体が悪いのではありません。ただ、それを理由に変化を拒むと、環境変化に押し切られます。大事なのは、今までのやり方そのものではなく、自分たちは何を価値として提供してきたのかというコアの部分です。そこに立ち返ると、変えるべきものと残すべきものが見えやすくなります。
外部は答えではなく壁打ち相手
外の専門家を入れれば、新しい事業や方向性がそのまま出てくるわけでもありません。歴史のある会社ほど、今の商売は人や関係性や現場感覚と一体になっています。だからこそ、答えは中から湧いてくる形の方が強い。外部は、事例や視点を持ち込み、壁打ちをする相手として使う方が機能しやすいです。
事例は裏まで読んで初めて使える
白書の事例はとても参考になります。ただ、表面だけを読むと危険です。成功した場面だけを切り取ると、そこへ至るまでの苦労や準備が見えにくくなります。
派手な転換の前に長い準備がある
たとえば、店舗縮小を前倒ししたり、漁船を買って流通を見直したりする飲食の事例は、さらっと読むと大胆な判断に見えます。でも、実際にはそれを受け止められる組織状態や、以前からの危機感の積み上げがなければ動けません。タクシー会社が物を運ぶ側へ広がった事例も同じで、地域との信頼関係や現場の納得があってこそです。
偶然の当たりを拾うには数を打つ
一方で、旅行業の会社が動画配信やオンライン観光をやってみた結果、映像制作の仕事が広がったように、最初から狙い切っていたわけではない成功もあります。こういう事例から学ぶべきなのは「動画が正解」ではなく、苦しい時に数を打ったから当たりを拾えた、という点です。オンラインだからいいのではなく、目的に沿って試した結果として、その手段が残ったのだと読むべきです。
まとめ:白書から学ぶべきは手段ではなく変化の条件
中小企業白書をWebやITの文脈で読むときに見るべきなのは、新しいツールや派手な成功例そのものではありません。会社全体を巻き込めているか、企業文化を言い訳にしていないか、数字を見ながら動けているか、そして事例の裏側まで読み取れているか。そこが変化の条件です。
手段は後から選べます。大事なのは、自分たちの価値を起点にして、無理のない速度で会社を変えられる土台を作ることです。白書は、その土台をどう見るかを学ぶ資料として使うと、実際の現場への効き方がかなり変わってきます。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第294回:Webコンサルの観点で押さえる2021年度中小企業白書の要点 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。
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