第343回:SEOツールを入れる前に、何を調べ、何を楽にしたいかを考える
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
SEOツールを入れれば、何をすればいいか分かるのではないか。高いツールを使える会社には、特別な情報が見えているのではないか。お客様とお話ししていると、そうしたイメージをお持ちの場合があります。
私たちもいろいろなツールを使ってきましたが、ツールを入れれば解決するというものではありません。今回は、私たちが何のために使い、導入するときに何を考えているかをお伝えします。
競合のデータは、正確な実数として受け取らない
SEOの仕事でツールを使う大きな理由の一つが、競合調査です。自社のデータと比べ、どこが強く、どの辺りに取り組む余地がありそうかを考えるときに使います。
ただし、第三者のツールで示される競合のアクセスや流入キーワードは、その会社が実際に持っているデータを、そのまま見せてもらっているわけではありません。
第三者のツールの数字は、正確な実数として扱わず、全体の傾向を見るために使ってください。この辺りの受け止め方は、気をつけた方がいいと思います。
私は、検討しているツールを試すとき、自分たちがデータを持っているサイトを調べ、実際の数字との差を見ることをお勧めしています。検索からの流入などについて、ツールが出してくるものと、自分たちで把握しているものがどれぐらい違うかを確認するんです。
使っていると、この分野ではよく取れているけれど、別の分野ではそうでもない、という違いを感じることがあります。その差を見ておくと、どのくらい信頼して、どう読み替えて考えればいいかの見当がつきます。
調査を楽にするために、ツールを使う
もう一つ大きいのが、普段している調査を楽にすることです。例えば、自社と競合のキーワードに関するデータを、表計算ソフトへ入れて比較する。どの領域に強く、どこが弱いかを見ていく。データが多いと、これだけでもかなり手間がかかります。
競合がどこからリンクを受けているかを何社か調べ、比較する場合も同じです。経験上、膨大な時間をかけた割に、あまり発見がないこともあります。
そのうえ、お客様に見せる資料にしようとすると、また整理や見せ方の作業が発生します。
やりたい調査は分かっているけれど、データを集め、比べ、見せるのが大変。その手間を減らす役割が大きいんですね。私たちにとっては、そこにツールの価値があります。
何か秘密の答えを手に入れるというより、自分たちが必要としている調査を、効率よく進めるために使っています。
導入する前に、自分で調べて判断する経験を持つ
SEOの経験があまりないチームにツールを渡せば、仕事が進むようになるのではないか、と考える方もいます。でも、実際にはあまり変わらなかったり、かえって時間を使ってしまったりすることがあります。
今まで見えなかった他社のデータが見えると、面白いんですよね。「こんなキーワードで人が来ているのか」「この記事が話題になったのか」と、どんどん見たくなります。でも、それだけでは好奇心を満たしているだけで、成果につながりません。
もう一つは、ツールがあっても何に使うか分からないというケースです。これは、それまで自分たちで、その作業をしていないことが大きいと思います。
ツールを入れる前に、自分でデータを比べ、そこから何をするかを考える段階を、ある程度踏んだ方がいいと思います。最初は効率が悪くても構いません。
こういうデータが取れれば、施策を考えやすくなる。この数字がこうなら、こちらへ進んだ方がよさそうだ。そうした経験があって初めて、「この作業がボタンを数回押すだけでできる」と、道具の価値が分かります。
競合の情報を得るためにツールを使うとしても、自社のデータと突き合わせ、計画を考える部分は、自分で手を動かした方がいいですね。最初の効率だけを求めず、その後に伸ばしていくための力をつけるところです。
自分で調べる段階で、そもそも何を知りたいのかが浮かばない場合もあると思います。第541回:データへの関心から、ツールを使う意味を考えるでは、自社の商売への興味を掘り下げるところからお伝えしています。
自分たちが減らしたい手間から、必要な機能を選ぶ
自分で調べた経験を持ってからツールを見ると、「これは自分がやっていたあの作業に使える」と分かります。さらに、「これができるなら、あのデータとも比較できるのではないか」と、次の使い方も見えてきます。
ツールによって得意不得意も、機能も違います。自分たちに何が必要かが分かっていると、選び方も変わるんですね。
流行っているからではなく、自分たちが困っている作業や、足りない情報に合うものを選んでください。高いプランを使うこと自体が目的ではありませんし、必ず導入しなければいけないわけでもありません。
私自身、以前ツールを乗り換えたときは、作りたいダッシュボードとの連携や、お客様に伝えやすい見た目を重視しました。私は資料作成が得意ではないので、そのまま見せて分かってもらえることも、判断の材料になったんです。
データの多さだけでなく、自分がどう使いたいかによって選んでいる、ということですね。「これが足りないな」と自分たちで気づき、そこに対応する道具を探す。その順番で考えていただければと思います。
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