第276回:商品のよさが伝わらないとき、作り手と売り手で共有したいこと
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
商品には工夫も思い入れもあるのに、なかなかお客さんへ伝わらない。似た商品と比べられると、価格や納期の話ばかりになってしまう。そういうときに、社内で一度確かめてほしいことがあります。
その商品を作っている人と、売っている人は、どのくらい話をしているでしょうか。いろいろな会社のお話を伺っていて、私はこの二者の距離が、伝えられる内容に大きく関わっていると感じています。
商品を作った人の話を、売る人も知っているか
ほかにも似た商品がある中で、どう選んでもらうか。安い、早いという分かりやすい違いだけで勝負するのは、難しいこともありますよね。
私が話を聞く中で、うまく伝えていると感じるのは、作っている人が販売にも関わっていたり、作り手と売り手がよく話していたりする会社です。
「どうしてこれを作ったのか」「どこを工夫したのか」「どんな方に使ってほしいのか」。そういう背景を知っていると、お客さんに質問されたときも、マニュアルの説明より一歩踏み込んで話せます。
商品の特徴を知るだけでなく、その特徴が生まれた背景まで、売る人へ伝わっているかを見てください。 お客さんに「よいものだ」と感じてもらうための情報が、そこにあるかもしれません。
もちろん、これだけで売れるという話ではありません。ただ、伝える材料があるのに社内で止まっているなら、とてももったいないことだと思います。
小さな会社だから、伝わっているとは限らない
作り手と売り手の距離を縮めるというと、「それなら、小さい会社の方が有利ですか」と聞かれることがあります。
ただ、人数が少ないからといって、よく話しているとは限らないんですね。ここで言う距離は、物理的な距離だけではありません。
仕事がそれぞれの人に任されていて、担当の中で完結している。ほかの人が何を考え、どう進めているかは、意外と知らない。小さな会社でも、そういうことがあります。
同じ会社にいることと、商品の工夫や考え方を共有していることは別です。 社内だから分かっているだろう、と済ませないでほしいと思います。
お客さんとの距離を縮めようと、外へ情報を出すことは大切です。その前に、社内の作り手と売り手の間で、必要な情報が伝わっているかも確かめてください。
「その話、初めて聞きました」が出てくる場を作る
以前、製造業の方とビデオ会議で、どう販売していくかを相談していたときのことです。話を掘り下げていくと、作り手の方から、いろいろな話が出てきました。
作っている方が背景を知っているのは、当たり前かもしれません。ただ、その横で一緒に聞いていたサービス寄りの方が、「そんな話は初めて聞きました」とおっしゃるんですね。
実はここを工夫している。毎日こんなことを考えて作っている。それが分かると、「それならホームページの見せ方を変えたい」「こういう内容を載せた方がいい」「販売スタッフにも伝えておかないと」と、話が動き始めます。
作り手には当たり前のことでも、売り手には初めて聞く、価値のある話かもしれません。 一緒に話を聞く場があることで、見せ方の案も出てくるんです。
私が「そういう話は、どこかでしていますか」と伺うと、「そういうことも伝えるものなんですね」と返ってくることがあります。商品に材料がないのではなく、まだ外へ出ていないんですね。
店頭で、作り手の工夫がどう扱われているかを見てみる
別のケースでは、作っている方が、自分の商品を売っている店舗へ見に行ったそうです。
ところが、思いを込めて作った部分は、店頭では全く伝わっていなかった。値段や色の違いだけで並べられていて、悲しかった、という話でした。
売る側が背景を知らなければ、手元にある情報だけで見せることになります。それでは、お客さんも、その範囲でしか違いを感じられません。
作り手が伝えたいことと、売り場で実際に伝えていることの間に、抜けがないかを確かめてください。 ホームページでも同じです。特徴や価格だけでは伝わっていない工夫がないか、作っている方と一緒に見てみるとよいと思います。
Webを、社内で伝えるためにも使う
Web活用というと、ホームページでどう売るか、どう集客するかへ目が向きやすいと思います。でも、会社の中で情報を伝えることにも使えます。
作っている様子を動画で共有したり、会社がどちらへ向かおうとしているかを伝えたり。社内報をWebで読むような形も、その一つです。
私がお客さんとWeb活用の話をするときも、社外への販売やマーケティングだけでなく、どうすれば社内で情報が回るか、という話になることがあります。
お客さんへ発信する前に、社内の人が商品を理解するためにも、Webを使ってください。 作り手が持っていることを、毎回一人ずつ説明する以外の方法も考えられます。
作り手・営業・サポートで、ざっくばらんに話してみる
まずは、作っている人、営業の人、カスタマーサポートの人が、定期的に話すところから始めてみてほしいと思います。
自分たちが持っているよさを、どうすればお客さんへきちんと伝えられるか。作り手の話に、営業やサポートがお客さんから聞いたことを重ねていきます。
社内の違う立場の人が話すことで、新しい見せ方や、商品をよくする方向が見えてくることがあります。 最初から立派な企画にまとめなくても、ざっくばらんな話し合いでよいと思います。
何を伝えるべきかが見えてくれば、ホームページの内容やキャッチコピーをどうするかも考えやすくなります。手法を選ぶ前に、まずその材料を社内で共有してみてください。
まとめ:買い手へ伝えるために、作り手と売り手の距離を縮める
商品の工夫や背景が、作った人の中だけに残っていないでしょうか。売る人がそれを知れば、お客さんへの説明や、店頭・ホームページでの見せ方にも生かせます。
作り手、営業、サポートが話し、商品に込めたこととお客さんの声を共有する。 社内にある材料をつないで、伝えられていなかったよさを届けていきたいですね。
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