第573回: Web担当者のタスク管理が続かないときに見直したい「今の自分」の把握
Episódio Ep. 573 25 h 44 min

第573回: Web担当者のタスク管理が続かないときに見直したい「今の自分」の把握

De Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、Web担当者のタスク管理についてお伝えします。あれもこれもやらなければいけないと、タスクに追われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私の場合、10社、20社という単位で並行してコンサルティングをしていますので、いろいろなタスクが並びます。ただ、もともとタスクの管理がすごく上手だったわけではありません。溜まってしまったり、逆にバランスが悪くてスカスカになってしまったり、いろいろなことがありました。

ToDoリストやGTD、ポモドーロタイマーなど、テクニックはいろいろあります。でも、それを使う前にやらなければいけないことがあると、私は思っています。いろいろ試したのにうまくいかない方は、まずここから押さえていただければと思います。

タスクを実行する「今の自分」を知る

結論としてお伝えしたいのは、タスクそのものだけでなく、それを実行する自分自身を知ることです。タスクについてはいろいろ考えると思いますが、実行する自分をどれぐらい客観的に把握しているでしょうか。

「これぐらいできるはずだ」と思っていたのに、実際には2倍、3倍の時間がかかってしまう。タスクが終わらないうえに、自分に失望して続かなくなる。計画を立てること自体を放棄してしまうケースもあります。

やり方を決めたのに、どうしてもその先へ進まない、やる気が出ないこともあります。自分は何を、どういうときにできないのか。どれぐらい時間がかかり、どれぐらい休みが必要なのか。どんなスイッチが入ると動けるのか。そこを見つめていないと、イメージどおりには進みません。

理想の自分を前提に、予定を組まない

もう一つ、タスク管理と一緒に「こうありたい自分」を実現しようとしてしまうことがあります。週間のスケジュールを決めるとき、今の自分ができることではなく、レベルアップした理想の自分を前提に作ってしまうんですね。

私自身、そういうことがすごくありました。「これぐらいこなさなければいけないから、これをやらなきゃいけない」。でも、実際にやってみると全然できなくて、「自分はダメだな」という悪いサイクルに入りがちでした。

タスク管理をうまくいかせるには、今の自分を最大限に使うことと、自分自身の成長を別の話として扱う必要があると思います。一緒にすると、タスクも進まないし、自分への失望感も広がってしまいます。

作業に実際にかかっている時間を記録する

自分を知るために、まずやっていただきたいのは、作業を客観的に記録して、実際にどれぐらい時間がかかっているかを把握することです。

提案書を一つ作るなら3〜4時間、重い仕事だから合計10時間ぐらいかな、とざっくり考えたりしますよね。ただ、こういうイメージは実際とかなりずれていることがあります。

私は、デスクトップ上の作業を記録するタイマー系のアプリを使って、すべての作業を記録しています。最初のうちは、びっくりするぐらい、自分が思っている時間と実際にやっている時間が違いました。すごく早いケースもあれば、思っていたより全然遅いケースもありました。

しかも、その差は時間帯によっても違います。いつもと同じタイミングでやっているはずなのに、なぜか全然違うこともあります。そういうばらつきも含めて、「自分はこの作業にどれぐらい時間がかかるものなのか」を把握していきます。

調子の波と、自分のスイッチを把握する

次は、どういうときにモチベーションがあり、どういうときにないのかを把握することです。常にモチベーションを高く保つべきだ、そのためにタスク管理をするんだ、と考えがちですが、ずっと持つものではないと思っています。

私の感覚では、1日の中で本当に集中してできる時間は1〜2時間ぐらい。そこそこできる時間は、それより多くて3〜4時間ぐらい。どうしてもぼーっとしてしまう時間も一定の割合であります。全部の時間を同じように使おうとしても、難しいんですね。

一見ずっとできているように見える人でも、もともとの能力が高いので、モチベーションが低いときにもこなせているのかもしれません。まず、自分には波があることを受け入れて、把握していきます。

何かをオンにすると動けるのか、邪魔なことをオフにすると動けるのか

そのときに探したいのが、自分が高いパフォーマンスを出せる状態に入るための、オンとオフのスイッチです。

何かがオンになったら動き出せる人もいれば、「これとこれとこれがなくなったら前に進める」という人もいます。嫌なことが全部なくなったらスイッチが入る、というパターンですね。どちらでも構いませんし、優劣はありません。

ここで「そんな自分が嫌だ」と考え始めると、先へ進まなくなってしまいます。嫌なことは嫌なんです。それを乗り越えることは別の話として、まずは嫌なことが嫌な状況で、自分をどう最大限に使うかを考えてみてください。

実際の計測結果も見ながら、どうすれば調子が上がるのか、その状態がどれぐらい続くのか、調子の低い時間がどれぐらいあるのかを把握します。作業時間が定量的な把握だとすると、こちらは自分の状態を定性的に把握することです。

やる気がないときにできるタスクも用意しておく

時間と調子の波を把握したら、高いパフォーマンスのときにやることと、低いパフォーマンスのときにやることを分けておきます。

週間のタスクを割り振るなら、「自分にはこれぐらい調子の低い時間がある」と大前提に置いてしまいます。理想の1週間を組むのではなく、自分にはばらつきがあるから、やる気がないときのタスクも作るということです。

私も結構ムラがある方です。自分が思っている以上のパフォーマンスを一気に出した後は、反動が来ます。なので、あえて「やる気がないときでも、これはできるから、これをやろう」というタスクをある程度用意しています。

やる気がないから何もしない状態が続くと、私は自己嫌悪にもつながると思いますし、会社としても困ります。そのときに「今ならこれはできる」というものを取っておくことが大事なんです。

調子がよい時間は、そのときしかできない仕事に使う

調子がよいときは、いろいろなことができてしまいます。ただ、やる気があるときには、そのときしかできないタスクを優先した方がいいと思います。

高い、真ん中、低いの3段階ぐらいでよいので、それぞれの状態に合わせたタスクを分けて、1週間を設計していきます。

低パフォーマンス用のタスクを設定するのは、嫌な感じがするかもしれません。自分でもサボっていると思ってしまったり、外から「全部頑張りなよ」と言われそうで避けてしまったりする。でも、そんなにずっとは持たないので、そこも予定に入れた方がいいんですね。

続けていく中で、低い状態がなくなるわけではなくても、割合が徐々に減っていく。私としては、真ん中と高い状態で全体の8割、低い状態が2割ぐらいになれば、十分かなと思います。あとは全体の底上げです。高い状態でできる仕事のレベルが上がれば、低い状態でできることも上がっていきます。

できる人が常に最高のパフォーマンスを出しているわけではありません。周りの方にも、こういう前提でタスクを組んでいいんだよと言ってあげられると、働きやすい職場になるのではないかと思います。

休息は、その場の判断に任せずルールにする

ここに加えるテクニックとしてお伝えしたいのが、休息の時間をルールとして決め、守ることです。仕事の間に休息を入れるのは、やりづらいところがありますよね。でも、休息を取らないと持ちません。

「これだけやったら5分休む」「外出から帰ってきたら10分休む」など、自分のルールとして決めておく。決めたら守るところまでルールにしないと、やっぱり詰め込んでしまいます。詰め込むと、結果的に全体の生産性が落ちがちです。

私の仕事の組み方としては、低パフォーマンス用のタスクをやる時間を、休息に近い位置づけにする考え方もあります。もっと調子が低くて、ブラウザで情報収集をするぐらいが限界、という時間も含めて考えます。

ポモドーロタイマーも、こういうところに絡めると役立つと思います。ただ、25分集中して、その後5分休むというやり方も、休息を取るルールを守れることが前提です。自分を客観視して、休むときには休んでいいと思えるようになっていないと、うまくいかないんですね。

やってもうまくいかなかった方と、最初からうまくいく方では、その前提が違うこともあります。テクニックだけを聞いても、そのまま参考にはしづらいと思います。

開きたくない連絡にも、自分のルールを作る

溜まっている仕事の中には、「このプロジェクトのメールは開きたくない」「このグループから来るメッセージには触れたくない」というものもありますよね。そう感じること自体は仕方がないと思います。でも、やらなければいけないことも事実です。

これも、「頑張れそうになったら開く」ではなく、開くタイミングをルールにしてしまう方が、私はまだましだと思っています。例えば、連絡が来たら30分以内に必ず開く、何も考えずにすぐ開く、といったことです。

自分が頑張れると思ったら開こうとしていると、どんどん先延ばしになります。こういうものは、延ばせば延ばすほど、倍々ゲームで開けたくなくなるんですよね。

私の場合は、そういうものがあったら、頭を真っ白にしてすぐ開くようにしています。実際に開いてみると、大したことがない内容の場合もあります。休息と同じように、自分の裁量で決めると後回しになるものは、あえてルールを作るということです。

作業ログを振り返り、自己認識のずれを確かめる

タスク管理は、社会人1年目で覚える基礎のような印象があるかもしれません。でも、物事を粛々と、できるだけストレスをかけずにこなせるのは、大きなスキルだと思います。

私たちは主観的に動きますし、ムラもあります。だから、毎週、自分がどれぐらいできたか、思っていた自分と実際の自分にずれがないかを振り返ることもやってみていただきたいんです。

記録してみると、「こんなにできるんだ」と思うことも、「思っていたより全然できないんだ」と思うこともあるでしょう。ただ、そこで悩みすぎず、そこからどう伸ばすかを考えた方がいいと思います。少なくとも今、会社で仕事をしているということは、一定のことをやれているわけです。

そこから、仕事にかける時間を減らしたいのか、もっとたくさんのことをできるようにしたいのか。どちらでも構いません。自分の理想へ近づくために、記録を役立てていただければと思います。

半年前や1年前の作業ログと比べて、よい変化が見えることもあります。人に言われたことではなく、自分で決めた予定を自分で遂行できたら、うれしいですよね。それは自信にもつながると思うんです。

自分を受け入れたうえでタスクを組めるようになると、GTDやポモドーロタイマー、ToDoリストの優先順位づけも生きてきます。曜日別にテーマを決めるデイテーマやタイムボクシング、似た作業をつなげるタスクバッチングなども、その先で使える手法です。

まずは、どれぐらい時間がかかるか、どういうときに力が出るか、その状態で何ができるかを把握して、現実的な週次・月次の割り振りをしてみてください。今の自分を最大限に使うタスク管理と、これから自分を伸ばしていくことは、分けて考えていただければと思います。

Webの仕事には細かいタスクが多いですから、このあたりをうまく扱えると、事業会社の方も同業の方も、もう少し幸せに仕事ができるのではないでしょうか。

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