第496回: ChatGPTなどでのテキストコンテンツ作成の現状と品質を上げるために必要な物について
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、先週末に配信したメルマガ「ChatGPTによるテキストコンテンツ作成は現実的なのか?」の補足として、生成AIによる文章作成の現状と、品質を上げるために必要なものについてお話しします。
金曜日の夕方ぎりぎり、もしくは土曜日の配信になってしまい、開封率が思ったほど伸びなかったので、ポッドキャストでプラスアルファを整理しておきたい、という背景もあります。メルマガを受け取っている方は、12月15日〜16日頃に届いているはずなので、あわせて読んでいただけると嬉しいです。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
結論から言うと、現時点では、マーケティングやセールスの文章を「丸ごと任せて、そのまま公開できる」状態にはまだ距離があります。一方で、生成AIは使いどころを絞れば十分に役に立ちますし、品質を上げる道筋も見えています。
本文では、次の3点を軸に整理します。
- いまの生成AIで「できる文章」と「難しい文章」の違い
- 量産型のコンテンツ運用で起きやすい問題と、見直しの考え方
- 品質を上げるために必要なもの(自社の一次情報)と、現実的な使い方
現状、ChatGPTで「そのまま使える文章」と「難しい文章」がある
定型文の作成や文章の整形は、かなり頼りになる
ChatGPTのような文章生成AIは、いわゆる定型的な文章を整える用途では、かなり使えます。たとえば、メール返信、欠席連絡、お礼への返事、お断りメールなど、用件が決まっている文章を短時間で整えてくれるのは実感しやすいところです。
加えて、自分の文章の「一般的に見て違和感が出やすい箇所」を指摘してもらう、といった使い方も得意です。言い回しを中立的に整えたり、角が立ちにくい文章に寄せたりするのは、生成AIが力を発揮しやすい領域だと思います。
マーケティングやセールスの文章は、無難にまとまるほど埋もれやすい
一方で、マーケティングやセールスに使う文章は、無難にまとまるほど反応が取りにくくなりがちです。生成AIは破綻しない方向に収束しやすいので、読みやすくはなるのですが、読後に「結局、何が言いたいのだろう」と感じる文章になってしまうことも少なくありません。
「極端に」「とにかく引きつけるように」と指示しても、中央に寄った文章を少し荒らしたような出力になることが多く、結果として他と紛れやすい印象です。目立たせたい気持ちは分かるのですが、ここは過度な期待を置かないほうが安全だと思います。
「それっぽい」だけでは、成果につながりにくい
YouTubeのタイトルを作らせると分かりやすい
分かりやすい例として、YouTubeのタイトル生成があります。生成AIに「バズりそうなタイトル」を考えさせると、たしかにそれらしい案は出てきます。
ただ、その「それらしさ」が強いほど、いかにも見慣れた雰囲気になって、結局は目立ちにくくなることがあります。似たような言い回しが並びやすいので、そこで勝負するのは得意ではない、というのが率直な感覚です。
ニッチな商売ほど、学習材料が少なくて厳しくなりやすい
もう一つ大きいのは、業界や切り口がニッチになるほど、出力の精度が落ちやすい点です。そもそもネット上に学習材料が少ない領域だと、近い業種の文章を寄せ集めたような内容になり、「それっぽいけれど、肝心なところが違う」文章が出やすくなります。
メジャーな職種や、世の中に文章がたくさん出回っている領域なら工夫の余地はありますが、掛け算でニッチになればなるほど限界が見えやすい、と考えておくのが無理がありません。
「AIで記事量産して伸びた」という話は、受け取り方に注意がいる
うまくいっているケースは、たいてい手直しが入っている
「全部AIに書かせてそのまま出したら、アクセスが上がった」という投稿を見かけることがあります。ただ、その話が本当かどうかは外から確かめにくいですし、何かしら別の意図(たとえばツール販売の文脈)が混ざっている可能性もあります。
さらに、後になって状況が変わったという話が出てくることもあります。私は、うまくいっているAI活用の多くは、AIを下書きや補助役にして、最終的には手を入れて「半分は自分の文章」に寄せているケースだと捉えています。
量産型の外注は、いまほど危うさが増加しがち
特に注意したいのは、安価にサジェストキーワードを網羅するような形で、月に何本も記事を納品するサービスです。WordPressの権限を渡して、ほぼ丸投げで運用しているケースも見かけますが、文章の質が伴っているかは、一度きちんと確認したほうが良いと思います。
昔なら「役に立たない」で済んでいたものが、量が増えるほどマイナスに働くケースも出てきています。やるなら、同じ予算で本数を増やすより、一本に寄せて丁寧に作ったほうが良い、というのが私の基本的な考えです。
品質を上げるために必要なのは「自社の一次情報」
自社にしかない資料・言い回し・顧客の声が、文章の芯になる
文章の品質を上げるうえで、私が一番大事だと思っているのは、自社にしかない情報を増やすことです。デジタルの言い方をするとファーストパーティーデータですが、この回ではもっと具体的に、社内の提案資料、営業の頭の中にある言い回し、顧客の声、現場で撮った写真などを指しています。
こうした一次情報は、読み手にとっても価値が伝わりやすく、他社が簡単に真似できません。生成AIを使うにしても、この一次情報があるかどうかで、出てくる文章の密度が変わります。
AIに渡すデータを自分で管理する、という考え方
一次情報を増やすメリットは、真似されにくいだけではありません。こちらがデータを渡さない限り、その情報を使って同じような文章を生成されることは起きにくい、という安心感にもつながります。
もちろん、人が真似しようとすれば可能性はありますが、少なくとも「どこにでもある一般論」に寄らないための土台として、一次情報の蓄積は強い資産になります。
生成AIは「主役」ではなく「補助役」として使うのが現実的
下書きではなく、構成と論点整理で助けてもらう
現時点の使い方としては、生成AIに文章を丸ごと書かせるより、構成案を作る、論点を整理する、言い回しの候補を出す、といった補助の役割に寄せるほうが安定します。文章の方向性や、何を言うべきかを先に整えるだけでも、制作の負担はかなり下がります。
そして最後は、人の手で一次情報を入れ、お伝えしたいことと根拠をつなぎ直す。私はこの流れが、いまのところ一番現実的だと感じています。
(当時の所感として)カスタムGPTに自社データを持たせる発想
ChatGPTの有料プランでGPTsを作れる機能があります。そこに資料や情報を持たせて、コンテンツの構成やアイデア出しに使う、という方向性は、考え方としてはとても分かりやすいと思います。(※学習させて良い情報かどうかの確認は重要です)
大事なのは、生成AIに「全部書かせる」ではなく、自社の一次情報を土台にしながら、作業を助けてもらう発想に切り替えることです。
まとめ
生成AIは、定型文や文章の整形では強い一方で、マーケティングやセールスの文章を「そのまま公開できる品質」で丸投げするのは、まだ早いというのが私の見立てです。ニッチな領域ほど学習材料が少なく、違和感のある文章になりやすい点も押さえておいたほうが良いと思います。
品質を上げるために必要なのは、生成AIの使い方の工夫以上に、自社にしかない一次情報を増やすことです。その一次情報を土台に、生成AIを補助役として使う。この方向で進めると、現実的に使える形に近づいていきます。
関連リンク
- ChatGPT が登場 | OpenAI
- Overview of OpenAI Crawlers(GPTBotを含む) | OpenAI
- Google Search’s guidance about AI-generated content | Google Search Central
- Generative AI content の扱い方 | Google Search Central
- Introducing Claude | Anthropic
よくある質問(FAQ)
いま、ChatGPTにマーケティングや営業の文章を丸ごと任せても大丈夫ですか?現時点では難しいと考えています。無難にまとまりやすく、読みやすくても印象が残りにくい文章になりがちなので、そのまま公開する前提での丸投げはおすすめしません。
ChatGPTが得意な文章の用途は、どのあたりですか?メール返信や欠席連絡、お礼やお断りなどの定型文を整える用途では頼りになります。また、自分の文章の違和感を見つけたり、言い回しの候補を出したりする使い方も向いています。
ニッチな業界や専門サービスだと、文章が合いにくいのはなぜですか?ネット上に学習材料が少ない領域だと、近い業種の文章を寄せたような出力になりやすいからです。「それっぽいけれど肝心なところが違う」という文章が出やすい点は、前提として押さえておくと安心です。
AIで記事を量産すれば、検索エンジンが評価してくれるのでしょうか?私は評価されないと考えています。量が増えるほど薄い内容が積み上がり、結果としてマイナスに働くケースもあるので、本数を増やす前に中身を見直したほうが良いと思います。
文章の品質を上げるために、まず何を用意すればいいですか?自社にしかない一次情報です。提案資料、営業の言い回し、顧客の声、現場で撮った写真などを蓄積し、それを土台にして生成AIを補助役として使うと、現実的に品質を上げやすくなります。
配信スタンド
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■Podcast /Webinar への質問は
こちらのフォームへどうぞ。
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