第315回:サステナ?SDGs?中小企業が新しいワードに飛びつくタイミングとは
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
- サステナやSDGsのような新しい言葉に、いつ飛びつくべきかの判断軸が分かる
- 中小企業は理念の善し悪しではなく、顧客がその価値を買う段階かどうかで考えるべきだと分かる
- 今やるべきことと、まだ優先しなくてよいことを切り分けやすくなる
新聞やテレビ、ビジネス誌で新しい言葉が盛り上がると、自社もすぐ動かなければいけないのではないか、と不安になりやすいものです。今回のテーマは、サステナやSDGsのような言葉に中小企業がどう向き合うべきかです。結論から言えば、言葉の勢いに合わせるのではなく、お客さまがその価値を買う段階に来ているかで判断するのが基本です。
新しい言葉に乗るかどうかの判断軸
中小企業がまず考えるべきなのは、その要素を商品やサービスに加えた時、本当に選ばれる理由になるかどうかです。たとえば「サステナビリティに配慮しているので価格は20%上がります」と伝えた時に、それでも買う、仕入れるという反応が返ってくるか。この感触があるかどうかが分かれ目です。
反応は大きく三つに分かれます。今すぐ付加価値として効くもの、将来は効きそうだが今はまだ弱いもの、付けても「そうなんだ」で終わるものです。ここを見ずに流行語だけを追うと、手間もコストもかけたのに売上へつながらない、ということが起きやすくなります。
理念と売上は分けて考える
サステナやSDGsそのものを否定する必要はありません。経営者として大事にしたい価値観なら、理念やミッション、長期計画に入れ込むのは自然です。ただ、それを入れた瞬間に市場の反応まで良くなるかは別の話です。理念として掲げることと、販売上の訴求として今効くかどうかは切り分けて考えた方が現実的です。
大企業と中小企業で立ち位置が違う
今回の中では、アパレル業界でサステナビリティが競争軸として浸透し始めている例が取り上げられていました。そこで印象的なのは、理想論だけで動いているのではなく、消費者の目を引き、売上につながる可能性があるから取り組んでいる、という現実です。
大きな会社は将来の市場形成を見越して、先に場所取りをします。将来伸びると見込んで投資し、ポジションを確保する体力もあります。一方で中小企業は、そこに付き合って先回り投資をするより、目の前の需要を取りにいく方が生き残りやすい場面が多いはずです。
B2Bの川上では先回りが効く場合もある
例外があるとすれば、将来的にその価値観を重視する大企業へ原料や材料を納入するような立場です。そうした販路が見えているなら、今から商品ラインナップに入れたり、自社の姿勢として打ち出したりする意味が出てきます。つまり、誰に売るのかがはっきりしているなら検討余地がある、ということです。
中小企業が優先すべき現実的な打ち手
現時点で顧客がそこまでの段階に来ていないなら、サステナやSDGsをやっていないことに罪悪感を持つ必要はありません。取り残されていると考える必要もありません。今の厳しい状況で優先すべきなのは、もっと手近で、すぐにニーズを刈り取れる打ち手です。
もちろん、新しく事業を作る段階なら最初からその軸を入れて設計するのは一つのやり方ですし、PRの切り口として使いやすい時期もあります。ただそれも、言葉のきれいさではなく、自社の商売にとってどう効くかを土台に考えるべきです。
盛り上がりの考え方・方向性
新聞やテレビで大きく扱われる時期は、社会に浸透させたい時期でもあります。だからこそ、盛り上がっている最中に焦って飛びつくのではなく、「言われ尽くした頃が実際のやり時かもしれない」という考え方・方向性を持っておくと、振り回されにくくなります。
いずれ仕入れ先や働く人の価値観として当たり前になれば、それは差別化要因ではなく前提条件になります。だからこそ今は、理想論に飲まれず、どこまでが競争要因で、どこからがまだ先の話なのかを冷静に見ておくことが大切です。
まとめ:新ワードへの反応は顧客の段階で決める
サステナやSDGsのような言葉は、良いか悪いかで判断するものではなく、自社の顧客がその価値をどこまで購買判断に入れているかで考えるのが実際の現場的です。大企業の動きやメディアの盛り上がりを、そのまま中小企業の優先順位に置き換えない方がうまくいきます。
理念として持つことは問題ありません。ただ、売上に結びつくかどうかは別です。だからこそ、中小企業は言葉に飛びつくより先に、自社の顧客が今どの段階にいるのか、どの販路なら先回りが効くのかを見極める。そのうえで、やることはやる、まだ早いものは追いかけすぎない。この距離感が大切です。
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