第279回:コンテンツの費用対効果をどう判断する?まず営業全体のコストを把握する
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
コンテンツを作っているけれど、それにかけた分だけの効果はあるのか。経営者や営業部門の方から、そう聞かれて困ることはないでしょうか。
アクセスが増えたとしても、「それはうちの売上に役立っているの?」と聞かれると、説明が難しい。特に、会社を知ってもらう入口のコンテンツでは、そういう悩みが出てきます。
ただ、私がその前に確認したいのは、自社の営業やマーケティングに、今どれくらいの費用がかかっているかです。Webだけに費用対効果を求める前に、比べるための数字を持っているか、という話をしたいと思います。
アクセスの増加だけで、コンテンツの価値を説明しようとしない
商品やサービスのよさ、ほかとの違いを知ってもらうには、いろいろな形のコンテンツが必要です。ただ、作ったものが読まれたからといって、それだけでかけた費用を回収できたとは言えません。
会社のことをまだ知らない方に読んでもらう記事では、情報を得て帰る人もいます。そこで「いろいろな人の役には立っているかもしれないけれど、うちの売上にはつながっていないよね」と言われてしまうことがあるんですね。
かといって、直接の問い合わせが少ないからと切ってしまったら、実は会社を知ってもらう入口を減らしていた、ということもあります。後から見込み客が減り、問い合わせの電話が鳴らなくなって初めて気付くのでは困ります。
入口の記事を読んだ人が、その先のサービスや特徴のページへ進んでいるか。 まずは、そうした途中の動きも見ていく必要があります。
例えば、会社名ではないキーワードで入ってきた人が増え、その中からサービスのページへ進む人も増えた。その動きを、もともとのサイトの営業の流れと合わせて考えていくわけです。
ただし、ほかの経路で来た人と同じ割合で問い合わせるとは限りません。途中の行動を見て価値を推し量ることと、実際に売上が発生したことは分けて考えたいところです。ここを一気に解決してくれる魔法のような方法がある、という話ではありません。
コンテンツを一つ作るのに、何がかかっているかを確かめる
この話を考えるきっかけになったのが、Content Marketing Instituteの記事です。コンテンツのROI、つまり投資に対してどれだけ成果が返ってきたかを考える際に、まずコストを把握することが取り上げられています。
外へ払った制作費だけでなく、関わった人の時間や、使った資源まで含めて見る。 コンテンツ一つにいくらかかっているかを考えるには、その部分が抜けないようにしたいですね。
記事の効果をどう説明するかという話に入りたくなりますが、そもそも何をかけているかが分からなければ、それに見合う成果なのかも判断しにくくなります。
そして私自身が関わってきた案件を考えると、確認したいことは、コンテンツの制作費だけにとどまりません。
Webの一件が高いかどうか、今の営業の費用と比べてみる
例えば、人が営業へ行くときには、その方の人件費や使う備品などの費用がかかっています。それらを合わせたとき、一件の引き合いを得るのに、いくらかかっているでしょうか。
仮に、今の営業では引き合い一件に十数万円かかっていたとします。Webでは一件三万円だったとしたら、「Webはもっと安く取れるものだと思っていた」という印象も変わってくるのではないでしょうか。これは相場ではなく、比べる数字があると判断が変わる、という例です。
今の営業にかかっている費用を知らないままでは、Webが高いのか安いのかも判断しにくいんです。
比較する数字がなければ、「Webはよく分からないけれど、結構お金がかかる。安くして、ほどほど取れればいいや」となりがちです。それでよいように思えても、取れるはずのお客さんを逃しているかもしれません。
一件売るために、どこまで費用をかけられるかを考える
Webで何かを始めるときに、「一件獲得するのに、いくらまでかけられますか」と伺っても、数字がなかなか出てこないことがあります。
その商品を売るために、何円までなら使えるのか。ここを考えている会社は、出すお金の大きさだけではなく、返ってくるものにも目を向けています。費用というより、投資として考えているんですね。
どの商品を、どれくらいの利益で売るのかによって、取れる施策の幅は変わります。 利益がほとんどない商品と、付加価値があり利益は取れるけれど売るのが難しい商品では、売り方も違います。
そこが分からないと、広告などでお客さんを連れてくるにしても、いくらまでならよいのかが見えてきません。問い合わせや注文の件数が増えても、結局損をしていたら困りますよね。
反対に、かけられる費用の範囲で獲得できるのに、出費だけを惜しんでしまうのも考えものです。例えば百件取れる可能性があるところを、費用を抑えるために十件で止めていたら、残りの機会を逃していることになります。
安く済ませることだけを目指さず、自分たちはここにいくら使えるのか、その中でどこまで取り組むのかを考えてほしいと思います。
数字を、Webと営業の優劣を争うためではなく改善に使う
営業全体にかかっている費用が見えてくると、Webとの比較以外にも発見があります。
すごくよいお客さんだと思っていたけれど、対応にかかるコストまで考えると、そうでもなかった。ずっと広告を出していた媒体も、振り返るとあまり成果が出ていなかった。そうしたことが分かるかもしれません。
そこで、すぐに切るか切らないかという話にするのではなく、「ここを変えれば、もっと効率よく仕事を進められるのではないか」「担当の方に、この数字を見てどう思うか聞いてみよう」と考えられます。
広告、マーケティング、営業のお金の動きを見えるようにして、その上で改善を考えていく。 私がお伝えしたいのは、そこです。
コンテンツの取り組みを社内で説明する場合にも、「何となく必要だと思います」だけでなく、今の営業活動と合わせて、どこに役割があり、どうよくしていけるのかを話しやすくなると思います。
まとめ:コンテンツだけを評価する前に、比べられる数字を持つ
コンテンツの費用対効果を考えるなら、制作にかかる費用と、サービスのページへ進むといった途中の行動を確かめる必要があります。ただ、それだけで売上への貢献を確実に言い切れるわけではありません。
まずは、今の営業全体で一件を得るために何がかかっているか、どこまで費用をかけられるかを把握する。 その数字をもとに、Webやコンテンツの役割と改善の余地を考えていきましょう。
Content Marketing Institute:How to Make the Content Marketing Case With ROI
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