第531回: Webマーケティングの情報収集が役に立たないと感じたら、ゴールを見直す
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、Webマーケティングの情報をどう取り入れ、どう探していくかについてお伝えします。
ある商工会さんで、よくある情報の落とし穴と、本来はどう捉えるべきかというWebセミナーをやってきました。そのアンケートに「情報の取り入れ方が分かると思っていた」という声が一つあったんですね。誤解を呼ぶタイトルにしてしまって申し訳ないと思いましたので、簡単にお伝えできればと思っています。
情報を取り入れるときに押さえていただきたいのは、情報を手に入れることをゴールにしないということです。
すぐに成果が出る情報を探すと、役に立たなかったと感じやすい
まず一番いいのは、業界の人でも知り合いでもいいので、信頼できる情報源を持つことです。「この人は売り込んでも来ないし、中立な立場で実体験に沿ったものを話してくれる」という人を見つける。あるいは、自分がそういう人になることが目標だと思ってください。
ただ、そんなにすぐ叶うものでもありませんし、この話を続けると「うちに相談してね」になってしまいそうなので、ここはあまり掘り下げません。
その上で、情報を手に入れるときのゴール地点を間違えないでほしいんです。お宝情報、役に立つ情報、こうしたらいいというノウハウを手に入れれば、何かいいことが起きる。使ってすぐ、あるいは1週間ぐらいで反響やアクセスが増える。そういう情報を探しがちかなと思います。
もちろん、そうであればいいんですけれども、有料の情報でも、すぐに結果が出たものには、その裏にいろいろな複雑なプロセスがあります。そのまま実行したところで、同じように成果が出るとは限らないんですね。
手に入れた瞬間に役立つものを探そうとすると、「成功した」「失敗した」「この情報は役に立たなかった」となります。でも、皆さんにぴったり合う情報に偶然出会う確率は極めて低いので、失敗したと思うのも当たり前なんです。
情報は、自分たちが行動を起こすきっかけとして使う
では、どう考えればいいのか。情報は、自分の行動を起こすためのきっかけだと考えていただければと思います。
ビジネスは、環境によってやるべきことが変わります。外部の競争要因もそうですし、内部でどれぐらい動ける人がいるのか、会社の文化や風土はどうなっているのか。皆さんの立場や権限がどれぐらいなのかによっても、やる順番や、やるべきことは全く変わってきます。
例えば、成功している事例を見たら、「こういうふうになりたい」という絵が一つ手に入ったと考える。そこに至るまでにどうしたらいいのかは、事例の中から得られる部分をできるだけ得ます。あとは、自分たちで試行錯誤しながら実現に近づけていくんだ、という考え方です。
ぴったり合う情報に出会う確率にかけるより、きっかけとなる情報をつかんで、実現できるように自分たちで頑張る。あるいは、誰かの助けを借りて頑張る。そういうきっかけを探すのが情報収集だと考えていただくといいと思います。
成功事例を自社で実現するまでの道のりを想像してみる
自分たちの環境に合わせて試行錯誤したほうが、成功に近づけると私は考えています。もちろん工数はかかります。自分たちでやらなければいけないこともたくさんありますけれども、次につながりますし、ノウハウがたまっていきます。
そして、このプロセスをしっかり体験することが大事なんです。情報には、そこに至るまでのプロセスが大体抜け落ちています。成功事例は、まさにその典型例です。
私が一番お勧めしているのは、自分の会社で同じことが起きるという前提で、成功までの道のりを想像してみることです。想像した瞬間に、「あれ、これもあれも足りていない」というものが見えてくるんですね。
そういう問題があると気づき、それを乗り越えていく。そのプロセスを体験することが、会社にとっては最も価値があります。情報はきっかけにすぎなくて、それをどう実現するかは自分たちにかかっている。これが、情報の取り方、扱い方だと私は思います。
丸投げすると、相手がいなくなったときに何も残らない
このプロセスを省いてしまうのが、丸投げであったり、「これをやればOK」という情報商材だったりします。最近どれぐらいあるかは分かりませんが、大体うまくいかないか、実は他社さんのコントロール下に置かれている、という状況を作りがちです。
丸投げというと、自分たちが何もやらなくて済むからハッピーだと考える方もいるかもしれません。でも、投げている相手がいなくなった瞬間に終わってしまい、自分たちの中には何も残らないことが一番怖いんです。
特に営業など、お金の源泉となるところを他社に任せきっていると、急に値上げを要求されたり、「もうその事業はやりません」と言われたりするかもしれません。相手が倒産した、社長さんが体調を崩して会社を続けられなくなった。その瞬間に、自分たちも共倒れになってしまうということです。
Webがなかった時代なら、売上を生み出すところを一番重要視して、戦略を立てて動いてきたはずですよね。それがWebの世界に入ると、「よく分からないから」と丸投げすることに問題がないと思われがちです。本来、そこは自分たちでしっかり握っているべきだと思います。
情報を積んでおかず、その場で自社に当てはめて考える
「こういう話を聞きました。うちではどうやったら実現できるかな。うちにとって適切なのかな」。こう考えながら、実際に自分たちで動いていく。そのきっかけを探しているというイメージを持っていただくといいと思います。
情報に即効性を求めないでください。即効性をうたう情報は、大体危ないと思っています。情報をきっかけにして自分たちでやっていくことが現実的ですし、それが価値になります。
情報の「積ん読」みたいなものは、本当によくありません。情報に触れたら、その場で自分たちの場合を考えていく。そういう形で情報を探していただければと思います。
Webが入ってきたことで、「分からないものは外に投げればいい」という方向に、業界全体がお仕事を確保するために持ってきた面も、正直あるなと思うんです。でも、自分の商売ですから、基本的には自分たちで上から下までコントロールする。その上で、外に振るべき部分は、分かった上で外に振る。それが本来の形ではないでしょうか。
Webやデジタルがこれだけ発展してきた世界でも、そこは同じです。楽な道はない、ということですね。
関連コンテンツ
成功事例を自社に置き換えて読む方法は、Podcast 第203回:成功事例の途中の判断で立ち止まって考えるで、具体的な例とともにお伝えしています。
集めた情報をどの仕事に使うか迷っている方は、Webマーケティング入門の実行計画の例も参考にしてください。
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