第334回:Webの手法をまねされても、次を生む経験とフィードバックを蓄積する
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
Webで差別化しようとすると、「何かいい方法はないか」「今はどんな手法が流行っているのか」と探し始めることが多いと思います。もちろん、そのときに効果が出る方法はあるかもしれません。ただ、それだけを探していると、ずっと探し続けることになります。
今回は、手段そのものより、次に何をするかを自分たちで考えられるようになるには、何を蓄積したらいいかという話です。私が大事だと思っているのは、経験の蓄積と、お客様から返ってくるフィードバックです。
手法は、いずれまねされるものと考える
以前からWebを使っている方は、昔はそれだけで効果が出たのに、という経験があるのではないでしょうか。例えば、メールマガジンを何回か送って、見込みのお客様をフォローし、その後に購入へつなげる仕組みです。取り組む会社が少なかった頃は、それだけで結構効果が出ることがありました。
でも、同じ手法を使う会社が増えたり、お客様が「これは、そういう流れなんだな」と受け取るようになったりすると、同じやり方がずっと効くわけではありません。
手段は一般化したり、まねされたりするので、それだけを差別化の頼りにはできません。特にWebでは、何をやっているかが、外から見えやすいんですね。
オフラインで、あのお店がどううまくやっているかを調べようと思ったら、簡単ではなかったでしょう。Webなら、キャッチコピーやデザイン、どういう言葉を使っているかを見られます。自分たちの商圏から遠い企業のやり方まで調べられますし、ノウハウを公開している会社もあります。
どこかで聞いた方法を試して効果が出たとしても、それがそのままずっと続くとは限らない。そこに頼った考え方では、なかなか安定しないということを、まず押さえていただきたいと思います。
次の工夫を生み出す材料を、自社にためる
では、どうしたらいいのでしょうか。「こうしたら、うまくいくのではないか」「次は、こう変えてみたらどうか」を、自分たちで生み出せるかどうかです。
新しい手法を発明しよう、という話ではありません。一般的に使われている手法でも、メッセージをこうしたらどうか、タイミングを変えたらどうか、こういうコンテンツならどうかと、細かい工夫によって変わります。
「こうした方がお客様は喜ぶのでは」と考えられる根拠が、会社の資産になります。その根拠になる経験や、お客様から返ってくる情報を、蓄積していきたいんですね。
外から、表面的なやり方をまねされることはあるでしょう。でも、なぜそれで効果が出ているのか、なぜその会社がそこにこだわっているのかは、外の人には分かりません。社内にあるノウハウや、お客様からのフィードバックそのものには、触れられないからです。
経験がたまっていく仕組みを作って、実際にためること。そして、お客様から情報を返してもらう仕組みを持つこと。私は、そこを育てていただきたいと思っています。
売れた後の接点で、お客様の状況を聞く
売れました、契約になりました、で終わりにしないことです。その後も定期的に接点を持って、「今はどんな感じですか」「うちのサービスにして、どう思いますか」と聞くところからでいいと思います。
特別なことをやろうとすると、敷居が高くなってしまいます。そうではなく、普段のやり取りの中で、こういうことをするんだと決めてしまうんです。
次の商品を案内するだけでなく、お客様側の状況や困りごとを聞くことも、仕事の流れに入れてください。訪問したり、改めてご案内したりする機会はありますよね。そこで「今は、こういうものがあります」と話して終わらせないことです。
どんなことで困っているのか、自分たちが次に考えるために知りたいことは何か。その情報を得られるようにしておくと、次に何をすればいいかが見えてきます。
例えば私たちのようなサービスで、お客様から、もう少しレポートの頻度を上げてほしいという声が出たとします。そうすると、頻度を上げるには、どこに工数がかかっているのかを考えられます。そこへツールを入れるのか、あまり必要とされていない部分を削るのか。次の一手につながるんですね。
その形へサービスを変えれば、同じように感じているほかのお客様にも、より合うものになるかもしれません。手法を先に見つけて当てはめるのとは、出発点が違います。
まねされたときに、次を考えられる状態にする
外から見たら、「なぜ、あの会社はレポートの頻度を二倍にしたのだろう」と思うかもしれません。でも、理由が分からなければ、まねすべきかも判断しづらいですよね。自社の中で、そう変える根拠を説明できず、組織として動けないこともあるでしょう。
その間にも、お客様から情報を受け取り、次を考える。この繰り返しを回せるかどうかが、周りに追いつかれずに進んでいくために大事だと思っています。特に、中期くらいの時間で考えたときですね。もっと長い時間になれば、根本から変えることも出てくるでしょう。
まねされたことに腹を立てるより、次の改善を考えられる仕組みを持っておくことです。「最初はうちしかやっていなかったのに、気づいたら同じような会社が増えていた」という話は、よく聞きます。
私のお客様でも、「お客様にこう聞かれるから、これを載せたい」「こういう内容を伝えるには、どんなコンテンツがいいですか」と相談してくださる会社は、お客様とちゃんとつながっているんですね。単に新しい手法を探す相談とは違って、変えたい理由があるんです。
そういう会社は、私が見ている中では、コンバージョンの数が安定していたり、単価を下げずに続けられていたりします。特に地域の中小企業には、そういうところを目指していただくといいと思います。
目に見える手法は、まねされることもある。その前提で、経験をため、お客様から返ってくる情報を次のコンテンツやサービスへつなぐ。そこを続けられることが、自社の強さになっていくのではないでしょうか。
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