第290回:独立に向いているかを、仕事への好奇心と自分の経験から考える
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
自分は独立して仕事をするのに向いているのか。今すぐではなくても、将来は個人で働くことを考えている方には、気になるところだと思います。
私自身、大学在学中に一度開業し、そこで失敗して、ほぼ畳んだ状態にしています。その後、いろいろな仕事を経験してから二回目の独立をし、今の法人設立につながっています。その経験と、起業したい方のお話を聞いてきた中で感じることをお伝えします。
営業力の前に、世の中への好奇心があるかを考える
個人事業主に向いている人という話では、営業ができること、仕事を自分で完遂できることなど、いろいろな条件が挙がります。もちろん、その通りだと思います。代わりにやってくれる人がいるわけではありませんからね。
ただ、私がもっと根っこの部分で大事だと思うのは、世の中に興味を持てるかどうかです。人に対してだけでなく、いろいろなものに好奇心を持ち、この世の中を楽しいと思えるかということですね。
目の前の仕事や仕組みに興味を持ち、何を提供したら役立つだろうと考えられることが、独立の適性に大きく関わると思います。これは、私が経験上感じていることです。
いろいろなものに興味があれば、仕事をつまらないものとして終わらせず、「これは別のところで役立つ経験になるのではないか」「なぜこういう仕組みになっているのか」と考えます。そうして知識やできることの幅が広がり、引き出しが増えると、人とのつながりも生まれてくるんですね。
独立すると、面倒な仕事がなくなるわけではない
今の仕事が面倒だ、上司とのやり取りが嫌だ、何をするにも承認が必要だから自由にやりたい。そういう理由から独立を考えることもあると思います。
ただ、何かを避けるために独立しようとしているなら、今その形で進むのはやめた方がいい、というのが私の考えです。独立すると、やることは増えます。会社で誰かが代わりにやってくれていたことも、自分でしなければいけません。
今まで見えていなかった、事業を回すための仕事も押し寄せます。面倒なことから離れたつもりなのに、また面倒なことがやってきた、と感じると、そこで嫌になってしまうんですね。
「これをやりたいから、自分でやるしかない」という気持ちで出ていけるかを考えてみてください。もちろん、その気持ちがあれば必ず成功する、ということではありません。
私にも、面倒だなと思いながらしている仕事はあります。でも、「どう効率化したら面白いか」「自分が担当者なら、どう改善するか」「相手の会社は何を加えたら、喜んで使ってもらえるのか」と考えてみるんです。
避けられないことに対しても、興味を持って向き合えるか。そうした心持ちが、続けていくうえでは大事ではないかと思います。
届けたいものがあると、営業や勉強への向き合い方が変わる
お客様に何を提案すれば喜んでもらえ、お金を払っていただけるか。そこに興味が向くと、「これは売れるのではないか。試してみたい」と考えるようになります。
DMを何度か出して反応を比べたり、ホームページの内容を変えて広告の反応を見たりする。アクセス解析で人の動きが変わったら、なぜだろうと考える。そういうことにも、楽しく取り組めるんですね。
実現したいことがあれば、そのために必要な営業や勉強も、自分から取り組むものになっていきます。お客様にこうなってほしいから、これを勉強しよう、という順番です。
ホームページを作れば、問い合わせがどんどん来るわけではありません。自分で開拓することも必要です。営業ができるか、人脈があるかという条件を見るだけでなく、その準備をしようと思えるかが関わってくると思います。
運よくよいパートナーと出会い、商売の仕組みに入れてもらえることもあるかもしれません。でも、そこを前提にするより、自分でどう届けるかを考えたいですね。
目立つ成功例を、そのまま自分の見通しにしない
独立してうまくいった人の話は、いろいろなところで見かけます。本人が発信することもありますし、メディアで紹介されることもあります。そういう話ばかりを見ていると、自分もうまくいきそうな気がしてきます。
でも、うまくいった人が目立ち、そうでなかった人は見えにくい。いわゆる生存バイアスがかかっているわけです。
成功した人の話を真に受けて、自分にも同じことができると考えるのは、やめた方がいいと思います。話半分くらいで受け止めておいた方がいいですね。
私自身も、失敗の繰り返しです。取り上げられるような華やかな売上を誇っているわけでもありませんし、ここに至るまでには大変なこともありました。簡単に飛び込めばいいとは、やはり言えません。
会社で力を発揮することと、独立することは対等
起業する人の方が偉い、会社に勤めている人はよくない、というような話には全く賛同できません。会社の中で、すごい仕事をしている方はたくさんいます。その人たちが、独立している人より劣っているわけではありません。
会社の中で楽しく力を発揮できているなら、無理に独立する必要はないと思います。個人でやった方がいい人、自分で会社を作った方がいい人は、その形でやればいい。対等な関係です。
私の場合は、自分で何でもやりたいから独立したタイプです。営業もシステムも、事務的な仕事や紙のデザインなども楽しかった。その中で、マーケティングとコンサルティングが一番楽しかったので、今の仕事をしています。
いろいろなことに興味を持ち、障害を一つずつ解いていくことも楽しめる。だから続けられているのかな、と感じます。独立という形を先に選ぶより、自分が何に興味を持ち、どんなふうに働くと力を発揮できるかを考えていただければと思います。
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