第306回:自社の動画制作で押さえたい、構成・音声・撮影・編集の順番
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
自社で動画を作ろうとすると、どの編集ソフトを使うかが気になると思います。外注していたものを自分たちで作りたい、これから動画を始めたい。どちらの場合も、道具をそろえるところから考えたくなりますよね。
ただ、中小企業がお客様に商品や会社のことを伝える動画なら、私はソフトから入らない方がいいと考えています。先に決めたいのは、何を見てもらい、どういう印象を持っていただきたいかです。
きれいな映像より先に、本当の姿が伝わるかを考える
外へ頼んで立派な動画ができると、「いいものができた」と思いますよね。PRやCMとして使うなら、それが必要なこともあります。でも、販売や問い合わせにつなげたい場合、きれいに仕上がっていることと、使いやすいことは別なんです。
私が一つの目標にしていただきたいのは、お客様に「これは実際の姿なんだな」と思ってもらえる動画にすることです。その土台の上に、伝えたいメッセージを載せます。
商品を実際に手に取るとどんな感じなのか。写真で見た印象と違わないのか。そういうところを確かめたい人に、現物の様子を見せる。企業の立派さを演出するより、それが助けになる場面があります。
ただ、生の姿を見せることと、日常をそのまま流すことも違います。長くて余分な部分が多い、見ていて嫌な気分になる。それではよい印象になりません。お客様が知りたいことに絞り、必要な内容を気持ちよく見てもらえるようにしたいですね。
撮る前に、お客様が見たいことと構成を決める
お客様に何を見せたとき、「おお、そうなんですね」と反応してもらえたか。何を動画で伝えたいか。まず、そこを整理してください。
そのうえで、お客様の目線に立ったら何が必要なのか、どういう順番で見せるのかを紙に書いて決めてしまう。ここまでは、編集ソフトは関係ありません。
後で編集して何とかするつもりで撮るより、話すことと見せる順番を決めてから撮る方が、作業も楽になります。撮った後は余分な部分を切れば出せる、というくらいまで考えておくといいと思います。
私自身、長く話すと同じことを繰り返してしまい、もっとコンパクトにできるなと感じることがあります。お客様に見てもらう動画なら、なおさらです。長い説明をそのまま撮るのではなく、短い時間で必要なことが分かる構成を先に作ってください。
音声は録って聞き直し、不快なところを減らす
撮影するときに、まず気にしていただきたいのは音声です。映像を見たり見なかったりしていても、音はずっと聞いていることがありますよね。私も昔は野球中継をラジオで聞くのが好きで、音だけだからこそ想像が広がる感覚がありました。
それだけに、聞き取りにくさや余分な音があると気になります。声がクリアに入るか、周りの話し声が邪魔していないか、自分の口癖や口の音が気にならないか。一度、自分の声を聞いてみてください。人にも聞いてもらうと、自分では気づかなかったところが見つかります。
録った音を実際に聞き、内容を聞く前に嫌になってしまう要素を減らしましょう。自分の声を聞くのはつらいかもしれませんが、ここはやっておいた方がいいと思います。
動きながら物件や現場を説明する場合と、座ったまま話す場合では、声の録り方も変わります。また、地元の方へ親しみを持って話すのか、落ち着いた印象を伝えるのかでも、話し方は違います。お客様へ向けて話していることを意識して、聞こえ方まで確かめてください。
見せたい場所、揺れ、明るさを撮影時に確かめる
次は、どこを撮るかという画角と、手ぶれです。お客様に動画を撮っていただくと、「ここが見たいのに切れている」「近すぎる」「見せたいところが小さすぎる」といったことがあります。
建てた家の中や物件、ホテルの外観など、歩きながら撮る場合は揺れも気になります。移動の仕方や撮り方を変えたり、揺れを抑える道具を使ったりして、見ていてつらくならないようにしたいですね。
照明も、目で見た感じと録画された映像とで違うことがあります。暗くて分からない、顔の色が不自然に見える、といったことがないかを見てください。人を撮るなら、照らす方向や光の色でも印象が変わります。
音声・画角と手ぶれ・照明を、短い撮影で試してから本番に進むといいと思います。何を見せるための動画なのかが決まっていれば、「これなら分かるね」という判断もしやすくなります。
編集は、内容を見やすくするために使う
構成を考え、素材の段階で見やすく聞きやすいものが撮れたら、編集でやることはそれほど多くありません。最初は、余分な部分を切ってつなぐことと、文字で見せたい部分にテロップを入れることが中心でいいと思います。
ソフトを使いこなせるようになると、いろいろな機能を試したくなるんですよね。PowerPointに慣れ始めた頃のように、急に文字を動かしたり、変わった画面切り替えを入れたりしたくなる。でも、それに凝るほど、お客様が知りたい内容から離れてしまうことがあります。
編集の機能をたくさん使うことより、伝えたい内容を邪魔せず見てもらうことを優先してください。装飾やアニメーションが増えても、知りたいことが分かりやすくなるとは限りません。
まず企画を考え、撮影する素材を整える。その後で、必要なカットと文字を加える。自社の商品や仕事の様子を伝える動画なら、その順番で取り組んでいただくのがいいと思います。
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