第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン
Épisode Ép. 563 28 min 2s

第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン

De Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、お客様からよく聞かれる「SEOのニュースは、どれぐらいチェックしたらいいのか」という話です。

SEOでは昔から、最新情報を押さえていないと間違ってしまう、流れてきたニュースを適切に解釈できないと良くない、と言われてきました。広告やSNSなど、ほかにもマーケティングの分野はいろいろあるのに、SEOは妙にスピードが速く、たくさんの情報を押さえなければいけないという風潮があったように思います。お客様にも「日々追っていかなければいけないんですかね」と危機感を持っている方が多いです。

ここでは、2025年8月4日に出た7月分の月間レポートを読みながら、その時点で私が感じていた情報収集の頻度や、時間のかけ方についてお話しします。

SEOの情報収集は、毎日必要なのか

結論から言うと、当時の私の感覚では、1週間に1回でも多いのではないか、月に2、3回ぐらいでいいのではないかと思っていました。そこに時間をかけて情報収集をしたところで、得られるものがかなり少ないという感覚です。

私もSEOだけを専門にしているわけではなく、企業さんのWebマーケティングやデジタル関連の、よろずのコンサルティングやお手伝いをしています。ほかの分野も情報収集していますが、SEOの情報をチェックしなければ、という頻度は相当減ってきていました。減らしていても、大して影響がないと正直思っていたんですね。

昔は、追いかけることで先に手を打てた

10年、15年ぐらい前、ペンギンアップデートやパンダアップデートという名前が出始めた頃、あるいはその前は、Googleのアルゴリズムがまだまだ未成熟でした。Googleも細かい情報を出していましたし、特許情報など、ヒントになりそうなものからいろいろな考察をするブログもたくさんありました。

私も2003年か2004年ぐらいから、Webマーケティング全般、実質ほとんどSEOのブログをやってきたので、その頃の空気感はある程度分かっているつもりです。その時代には、きちんと追いかけることで、他社に先駆けてSEOハックのようなものを見つけ、仕掛けられることが確かにありました。あるいは「こういうことをやったらまずい」という情報を早くつかみ、対応して改善することもありました。

それが2025年のこの時点で、どれぐらい通用するかというと、私にはほとんどないように感じられました。

アルゴリズムアップデートは押さえておきたい

例外として、アルゴリズムアップデートの日程や、いつ終わったか、ざっくりどういう変動の傾向があるかは押さえておいた方がいいと思います。各社、いろいろなメディアが情報を出していますからね。

ただ、それ以外は正直、新しいネタがほとんどないと感じていました。海外の老舗サイト、Search Engine Roundtableが「Webmaster Report」という月間の振り返りを出しています。7月分を読んでも、あまりネタのない1か月だったな、と思ったんです。

情報が少ないというより、考えたり、考察したり、テクニックを出したりする余地のある情報が少なくなってきた、ということですね。昔もGoogleが「こうしたらいい」と細かく教えていたわけではありません。それでも、人間が考察する余地があったので、記事を追いかける価値がありました。

当時の私には、Googleの言うことが、極端に言えば「品質の高いコンテンツを作り、オリジナルの内容を入れ、ユーザーのニーズに合うものを、信頼性を担保しながら作りましょう」という、抽象度の高い話に見えていました。そこから細かいテクニックを考察するのは、ほとんど不可能ではないかと思ったんです。

細かい発言を追うニュースに、時間をかけるか

そういう状況を受けて、SEOのメディアにも少し「うーん」と思う傾向を感じていました。ニュースのネタは少ない。でもトラフィックを集めなければいけない。その結果、少しずつワイドショー化しているように感じたんですね。

Googleの中の人がどこかで発言すると、細かく突っ込みを入れたり、本当にちょっとしたことが一つの記事になったりする。AIの出現で大きな変化が起きて、うまく乗れている人と、そうではない人の間に分断がある中で、そういう記事が出ると、うまくいっていない方からは恨み節が流れてきます。うまくやれている側や、そうしたサービスを提供する側からは歓迎する声が出て、一定盛り上がるんです。

意図しているかどうかは分かりませんが、一般のニュースでいう分断をあおるような情報が増えている気がして、それが嫌だなと思っていました。

アカウント統合の話にも、過剰に反応していないか

当時の例として、Googleの公式アカウント「Search Liaison」と、ダニー・サリバン氏をめぐる話がありました。もともとメディア側にいた方で、SEO関連の情報を伝える立場だったんですが、その立場での発言をやめ、アカウントも別の広報アカウントへ統合するという話が出ていたんですね。

それに対して「Googleは我々との対話を軽視するようになったのではないか」「AIなんてひどいものだ」と、かなり強く反応しているところがありました。ただ、私には、Googleの中での体制変更の結果と考えてもおかしくないように見えました。二つのアカウントは、お互いの投稿をリツイートするなど、発信内容も大して変わらなかったので、統合してもおかしくないのではないか、と思ったんです。

Googleには、ダニー・サリバン氏やゲイリー氏、ジョン・ミューラー氏などが、Redditのような場所にまで出ていって質問に答える文化がありました。昔のマット・カッツ氏の頃から、個人が直接、比較的オープンにコミュニケーションを取ってきたわけです。

その人たちのちょっとした言動がすぐニュースになり、いろいろな推測まで加わる。昔ならトップストーリーにならなかっただろうという細かい話までニュースになっていて、正直、知っていても知らなくても大して変わらないものが多いと感じました。

おそらく、細かい考察をする余地がなくなってきたことも関係しているのだと思います。AI駆動になってきたことで、Googleの中の人でもアルゴリズムのすべてを頭で理解できるような形ではなくなり、外からも考察しづらくなっているのではないか、と私は捉えていました。考察するなら、大きなデータを取り、そのデータから論旨を組み立てるような、かなり手間のかかる情報を出すことになる。そんなものは毎日出せないですよね。

月間レポートの見出しを読むと、何が分かるか

実際に、2025年8月4日に出たSearch Engine Roundtableの7月分のWebmaster Reportを読んでみました。Googleのアップデート、AI、SEOのさまざまな話題、マップやSearch Consoleなどのツール、といった内容に分かれていました。

2025年6月のコアアルゴリズムアップデートについては、「アップデートがありました」「展開が終了しました」「終わった後も変動が続いています」といった記事です。ボラティリティというのは変動のことですが、変動は常に大きいので、それをニュースにするのもなあ、という感じでした。

ほかには、ヘルプフルコンテンツアップデートで落ちたサイトの一部が戻ってきたという話や、またランキングの変動が激しくなったという話。私が見た範囲では、アップデートがあり、その後も変動が続き、一部で回復が見られた、という細かい報告が中心だったんです。

GoogleのAIに関しては、AIモードでテスト的にいろいろなものを入れたという話や、インド、イギリスへ拡大したという話が、細かくニュースになっていました。

SEOの話題では、「インデックスされていないサイトは、Googleがサイト全体を信頼していないことを意味する可能性がある」といった見出しもありました。これは私が断定しているのではなく、当時読んだニュースのタイトルです。「信頼度が低いからかもしれません」で、一つの記事になるんですね。

アメリカで州ごとに製品価格が違う場合、それをサポートしていないかもしれない、というニュースもありました。世界の情報を押さえている有名なSEOメディアでも、そういう細かい話をたくさん記事にしている。昔は同じぐらいの記事数でも、一つひとつにもっと読み応えがあったように思います。

早く知った後に、何ができるかを考える

そのぐらいの細かさなら、2週間に1回など、まとめて押さえるぐらいでも問題ないのではないか。それを毎日追う時間があるなら、AIを使って今の仕事をどう効率化するか、一人ひとりのできる仕事の幅をどう広げるかに使った方がいいと、私は思いました。

SEO関連の作業でも、どこを省力化できるか、AIがどこを得意としているか、自分が使いこなすにはどんな練習が必要か。ニュースを早く知ることより、実際の仕事に使えるようになることへ時間を割いた方がいいという判断です。

毎日追って、コアアルゴリズムアップデートにいち早く気づいたとしても、それだけで何かできるかというと、難しいんですね。順位が落ちたらどう回復するか、どうすれば伸ばせるか、という情報が出るまでには時間がかかります。分析が大変ですし、出てきた話も二転三転する。すぐ検知できたからといって、すぐ手を打てるわけではないと思うんです。

「最新情報を押さえていないとまずいですよ」「今いちばん新しい方法は」といったセールストークにも気をつけた方がいい。その瞬間には方向性として正しくても、すぐ変わってしまう可能性があります。

私としては、サービスや製品を磨き、どうすれば皆さんに知ってもらえるかを考え、そのためになりそうなことをやる、という方向へ向かうしかないと感じていました。もちろん、テクニカルな部分でやるべきことはたくさんあります。ただ、それは最新ニュースを追い続けないとできないものではなく、かなり定式化していると考えています。

見出しの確認と、方針を相談する時間を分ける

情報を追っていないと遅れてしまう、損をしているのではないか、と心配している方には、そこまで不安にならなくてもいいとお伝えしたいです。月に1回だと、さすがに少し間が空くかなとも思うので、私なら2週間に1回ぐらい、海外のまとめサイトの見出しをざっと見て、興味を持ったものを開くぐらいでいいのではないかと考えます。

当時はAIモードやAI Overviewsによる変化の中で、トラフィックが集まらなくなったり、その先の見込み客との関係づくりが機能しなくなったりして、直接ダメージを受けた人たちもいました。Googleの話題が出るたびに、Xで「またAIで悪い方向へ持っていっている」と反応するような状況も見られました。

そうなると、中立的な情報は集めづらい。そういう情報ほど目立たず、抽象的になりがちで、埋もれてしまうんですね。日本の会社さんが海外の情報をもとに発信するときも、どうしても目を引く話になりやすいと感じます。

四半期の方針と、月ごとの軌道修正

だったら、細かい話を追い続けるより、大枠の方針を3か月に1回ぐらい、パートナーやお付き合いのある会社さんと相談して、「次の四半期はこういう方針でいきましょうか」とタスクを決める方がいいのではないかと思います。

軌道修正は四半期ごと、あるいは理想的には月に1回ぐらいやった方がいいとは思います。

売れるものを作り、売れるサービスを育て、それをどう知ってもらうかを考える。お客様のことを把握したうえで、どうすれば届くかを考えて積み重ねていく。漠然とした話ではありますが、そこにやっぱり裏技はないんですね。

今回お伝えしたかったのは、SEOの最新情報を追うことに、時間やコストをかけすぎない方がいい、ということです。月に1回、2回ぐらいまとめてでもいいのではないか。例外としてアルゴリズムアップデートは押さえたいですが、それも最速で知ればすぐ対策できるわけではない、というのが、この時点での私の考えでした。

関連コンテンツ

業界ニュースを追う頻度と、自社への流入や検索結果の変化を見る頻度は、分けて考えたいところです。自社の状況を記録し、相談につなげる方法は、Podcast 第194回:SEOの変化を確かめ、日付付きで記録・共有するで扱っています。

情報収集を仕事の計画に結び付けるときは、Webマーケティング入門の実行計画の例もご覧ください。

参考記事

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

投稿 第563回: SEOの最新情報は毎日追うべき?情報収集の頻度と時間の使い方 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。

Discussion de la communauté

Aucune publication pour l’instant

Soyez le premier à lancer la conversation sur 第563回:SEOの最新情報、本当に毎日追う必要ある? 効率的な情報収集スパン