第500回: 「ウェブへの熱意とモチベーション」が成果を出す必要条件(十分条件ではない)
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、2023年に現場でいろいろ感じたことを踏まえて、2024年をウェブ(Web)やIT、デジタルの活用で前に進めるために欠かせない話を、ひとつに絞ってお伝えします。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
成果を出すために必要なのは、外部に頼むか内製化するか以前に、自分ごととして関わる熱意とモチベーションです。
受け身のまま「良い会社に頼めば何とかなる」という考え方だと、いまの環境ではなかなか前に進みません。
この記事では、受け身が生む問題点を整理したうえで、私が理想だと思う「無理に内製化しないけれど、正しく受発注できる状態」をどう作るかまで、論理的にまとめます。
2023年に強く感じたのは「丸ごと任せきり」がまだ多いこと
2023年、そしてそれ以前からも感じていたのですが、ウェブやIT、デジタルに対して「できれば触れずに済ませたい」「まとめて任せたい」という空気が、まだ残ったままように思います。
もちろん、今ご一緒しているお客様に向けて言いたいわけではなく、現場で相談を受ける中での一般的な傾向としてです。
たとえば、次のような状態が重なると、判断の主導権が社内から離れてしまうんですよね。主導権が離れると、費用や方針の妥当性を見極めることも難しくなり、結果として遠回りになりやすいです。
- 使っているレンタルサーバーがどこか分からない
- ドメインの管理会社がどこか分からない
- 制作会社への依頼内容や金額が適正か判断できない
- 提案が複数出ても、比較する基準が持てない
受け身が通用しにくくなった理由は「テンプレートが飽和した」から
以前は「こう作って、こう売れば伸びる」という型が、ある程度は通じました。ところが今は、その型が世の中に広がりきっていて、同じような作り方をなぞるだけでは差が出にくくなっています。
だからこそ、どんな価値軸を作るのか、どんな生の情報を出していくのかが問われます。ここは、外部の力だけで完結しづらい領域で、社内側の関わり方や熱量が成果に直結します。
「良い会社に頼めば成果が出る」ほど単純ではない
評判の良い制作会社や、能力のあるパートナーは確かに存在します。
けれど、どれだけ良い相手でも、発注側が受け身のままだと、引き出せる情報が少なくなり、最終的な出来上がりも凡庸になってしまうんですよね。
うまくいっている会社を見たときに、「良い会社に出会えたから」「予算があるから」と捉えがちですが、実際はそうではないことが多いです。
成果が出ているところほど、貪欲にノウハウを吸収し、学びを社内に残し、最終的に自分たちでコントロールできる体制を整えています。
成果の必要条件は「熱意とモチベーション」と「自発的な好奇心」
お問い合わせの中には、「いくら出せば、どれくらいの成果が出ますか」という聞き方も少なくありません。気持ちは分かりますが、今の環境はそんなに単純ではなく、どこかに“必ず成果が出る万能策”が隠れているような状態でもありません。
やれること自体は多くの会社がすでに実行していて、差がつきにくいからです。だからこそ、発注側が「なぜこうなるのか」「どういう選択肢があるのか」と関心を持ち、素材を出し、決めるべきところを一緒に決めていく必要があります。
きれいに整いすぎたコンテンツより、現場の実感が伝わる情報が強いこともある
今は、見た目が整っているだけでは反応が出にくい場面があります。むしろ整いすぎていると、受け取る側が距離を感じてしまうこともあります。
それよりも、現場で起きていること、実際の経験、試行錯誤といった“生の情報”が伝わるほうが、反応につながりやすいことがあります。外部の制作や運用の力を借りるにしても、その材料を出せるのは社内側だけです。
理想は「無理に内製化しない」でも「正しく受発注できる」状態
私は、無理に内製化する必要はないと考えています。プログラミングができなければいけないとか、Dreamweaverでコーディングできなければいけないとか、Photoshopを使いこなさなければいけない、という話ではありません。
目指すべきは、価値判断ができて、相手と対等に会話できて、やり取りを整理しながら前に進められる状態です。これができるだけで、無駄が減り、学びが残り、取り組みの質が変わっていきます。
最低限、押さえておきたい「共通言語」の範囲
外部と話が通じる状態を作るには、共通言語が必要になります。細部まで詳しくなる必要はありませんが、次の三つはつながっているものとして把握しておくと、判断が楽になります。
- サーバー(サイトを置く基盤)
- ウェブサイト制作(設計・デザイン・実装)
- 集客や計測(マーケティングとアクセス解析)
体制の作り方は2つある
理想は、社内にモチベーションの高い担当者がいて、長く関わってくれることです。ただ、採用も育成も簡単ではありませんし、育った頃に転職してしまうことも現実として起こります。
そこで、現実的な体制の作り方は大きく二つだと考えています。どちらを選んでも、社内側が「関わる姿勢」を持つことが前提になります。
- 社内に窓口役を置き、学びを社内に残す
- 外部に“間に入る人(相談できるパートナー)”を置き、複数社の調整を一緒に進める
- 状況に応じて、社内と外部の役割分担を見直せるようにしておく
行き当たりばったりの発注は、コストの無駄が生まれやすい
これまでの経緯で、点で発注を重ねてきた場合、意外と無駄が出ていることがあります。見直しをするだけで、費用感が大きく変わるケースも珍しくありません。
たとえば、必要以上に高機能なレンタルサーバーを使い続けていたり、本来はテーマを活用して十分なところをフルスクラッチで作ってしまっていたり、ということです。背景として、紹介の構造が絡むケースもあり得るので、なおさら発注側が判断できる状態を作っておくと安心です。
取引先の変化や、人材の流出に備えておく
ウェブやITの世界は、外から見るほど安定していない局面もあります。長く付き合ってきた会社が急に値上げをしたり、最悪の場合は事業自体が続かなくなる可能性もあります。
また、社内で育った人が3年ほどで転職していくことも実際に起こります。だからこそ、特定の会社や特定の個人に依存しすぎない形で、知識と判断基準を“社内の資産”として残していくことが重要です。
経営者の関わり方は「口も手も出す」ではなく「判断と環境づくり」
ここは誤解されやすいのですが、経営者がウェブ施策の実際の現場に深く入りすぎると、マイクロマネジメントになりやすく、現場が動きにくくなることがあります。経営者の方は経営の仕事に集中し、実際の現場は担当者に任せたほうが回りやすい場面が多いです。
例外は、少人数で現場の距離が近い組織です。その場合は経営者が実際の現場も担うほうが自然なこともありますが、人数が増えてきたら、役割を分けて組織として回る形に移したほうが安定します。
まとめ
2024年にウェブやIT、デジタルを活用して前に進めるために、私が最も大切だと思うのは、熱意とモチベーション、そして受け身ではない関わり方です。これがないと、どれだけ外部の力があっても成果は伸びにくくなります。
理想は、社内が正しく受発注できる状態を作り、必要に応じて外部のパートナーを“間に入る存在”として活用しながら、学びを社内に残していくことです。私はこれまで600社、700社とサポートしてきましたが、うまく進む会社ほど「関わり方」が変わっていきます。
もし「どこから見直せばよいか分からない」「制作会社や運用の体制を整理したい」という状況であれば、相談の形はいろいろあります。選定の場に同席して整理するなども含めて支援していますので、必要があれば声をかけてください。
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よくある質問(FAQ)
なぜ「熱意とモチベーション」が成果の必要条件になるのですか?いまはテンプレート的な作り方が広がりきっていて、外部が用意できる“それっぽい形”だけでは差がつきにくいからです。現場の経験や試行錯誤の情報を出し、判断に関わる姿勢があって初めて、外部の力も生きてきます。
受け身で外部に任せれば、ある程度は何とかなりませんか?短期的に形が整うことはありますが、判断の主導権が社内に残りにくく、結果として遠回りになりやすいです。制作や運用を頼むとしても、発注側が「なぜそうなるのか」を理解し、比較や判断ができる状態を作っておくことが重要です。
内製化しないなら、社内はどこまで知っておけばよいですか?理想は「正しく受発注できる状態」です。サーバー、サイト制作、集客や計測がつながっていることを理解し、価値判断ができて対等に会話できる範囲まで押さえられれば十分だと思います。
制作会社や外部パートナーは、どう選べばよいですか?相手の得意領域が偏っているケースもあるので、サーバー・制作・集客や計測の話がつながって相談できるかを見ます。複数社を直接つなぐのが負担になる場合は、間に入るパートナーと一緒に整理しながら進める形も現実的です。
経営者はウェブ施策にどう関わるのがよいですか?実際の現場に深く入りすぎると、現場が動きにくくなることがあります。経営者は判断と環境づくりに集中し、実際の現場は担当者に任せたほうが回りやすい場面が多いと考えています。
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■Podcast /Webinar への質問は
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運営・進行
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第500回: 「ウェブへの熱意とモチベーション」が成果を出す必要条件(十分条件ではない) は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナ
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