第561回: 他社の真似は無駄ではない。毎日30秒から始めるWebサイト改善
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、Web活用で「やらなければ」と思っていても、最初の一歩を踏み出せないときの話です。
自分が動けないこともあれば、周りを動かせないこともあります。私がご相談を受ける中で、うまく動いている会社と比べると、少し考え方が違うなと感じるところがあります。そこをお話ししたうえで、毎日30秒から始められることをご紹介します。
自社にぴったりの方法が見つかるまで待っていないか
動き出せないときによく見かけるのは、「自社に合う、コスパのいい手法さえ分かれば動ける」という考え方です。ほかにも、「他社と同じことをしても追いつけない」「最も効率のいい方法でなければ、その差は損だ」と思っている場合があります。
最高の状態を当然の基準にして、そこから少しでも効率が落ちるならマイナスだと考える。それでは、なかなか一歩を踏み出せません。
うまくいく方法が先に全部分かってから動ける、とは限らないんですね。これは、動けない方を責めたいわけではありません。実際にやってみないと分からないことが、たくさんあるんです。
成果を出している会社は、特別なことばかりしているのか
反響を得ている会社は、大金を払わないと分からない方法や、膨大なデータから見つけた特別な手法を続けている。そんなふうに思っていないでしょうか。
でも、私が実際に現場へ入ってみると、特別なことをしていない場合が多いです。違うのは、もっといい方法を探し続けるより、まず手を動かして何かを変えようとする雰囲気があるか、そういうふうに組織を動かせるか、というところです。
できることを積み上げ、その中で得た知見を使って改善してきたという会社が、本当に多いと感じます。
もちろん、資金に余裕があり、最初から専門家を入れて、自社に合いそうな方法から始められる会社もあります。ただ、多くの会社では、まずできることを行い、改善を回してきた積み重ねがあるんですね。必ずしも10年、20年ではなく、1年、2年でもそうです。
最適かどうかは分からなくても、悪くはならなさそうだから試す。うまくいかない部分があれば直す。そうして検証しながら積み上げた結果、気づけば成果につながっていた、という形です。
他社と同じ取り組みでも、始める価値はある
「他社がやっているから意味がない」とは、私は思いません。続けている取り組みなら、何か価値があるから続けられているのかもしれません。むしろ、参考にして取り組む価値があると考えています。
例えば、ある内容を自社でも書こうと思ったけれど、他社も同じテーマを扱っていた。それで「今さら書いても意味がない」とやめてしまうことがあります。でも、自社にはその説明がないのなら、あった方がいいですよね。
普通の取り組みでも、実際にやりながら覚えたことは自社の財産になります。最初は先に取り組んでいる人のやり方から学び、やがて自分たちのものにしていく。守破離という考え方にも近いと思います。
自分たちで回さなければいけない会社も多いでしょう。そのとき、思いついたことが普通だからと止めず、まずやってみてください。手を動かすことで、次に見えるものがあるんです。
手法を待つ前に、自分たちの商品が喜ばれる理由を考える
自社にぴったりの方法が、ネットやSNS、営業してくる会社から自然に届くとは思わない方がいいです。私には、手法そのものより、それをどれだけ丁寧に進め、その時々に合わせて改善できるかが大きいと感じられます。
「自社の商品はこういうものです」「こういうところが喜ばれています」「だから、こういうことを伝えたい」ということが分かれば、専門会社に方法を提案してもらい、納得できるものを選ぶこともできます。
ところが、なぜ自社の商品が売れているのかを考えないまま、手段だけを探してしまうことがあります。そこへ「すごい新しい方法があります」と営業されると、乗ってしまう。でも、それだけで簡単に売れるわけではなく、お金だけがかかることにもなりかねません。
何もせず待っている間にも、取り組んでいる会社は積み上げています。後から見れば少し効率が悪かったとしても、その過程で得られるものがあります。そこも含めて考えてほしいと思います。
最初の一歩は、自社のWebサイトを見ること
それでは、具体的に何から始めるか。私は、まず自社のWebサイトをどう良くできるかに目を向けることをお勧めしています。
SEOでアクセスを増やす、広告のクリック単価を下げる、SNSで話題になって人を集める。集客へ目が向きがちですが、来てもらう先のWebサイトが売れる状態でなければ、反響につながりにくいです。
逆に、Webサイトがある程度反響を得られる状態なら、少ないアクセスでも、問い合わせなどにつながる可能性があります。だから、人を呼ぶことだけでなく、来た人が見るWebサイトを確かめるところから始めてほしいんです。
皆さんは、普段、自社のWebサイトを見ていますか。チラシやDMで「お店へ来てください」と呼びかけているのに、店では誰が待ち、どんな接客をし、何時に開いているかを知らない、ということは考えにくいですよね。自社のWebサイトを思い浮かべられないのは、それと似た状態です。
毎朝30秒、お客様のつもりで改善点を一つ探す
まず、お客様がパソコンとスマートフォンのどちらで見ているかを確認します。分からなければ、Googleアナリティクスなどの解析ツールが入っている場合、利用状況を見てみる。半々なら両方を気にした方がいいですし、BtoBでは商品によってパソコンが多いこともあります。
最初は片方からでもいいので、毎朝30秒から1分、自社のWebサイトを見て、改善点を一つ探すことを日課にしてみてください。
「自分がお客様なら、ここがこうなっていたらいいな」「他社と比べて、ここがもう少し分かりやすいといいな」。気づいたことを、メールやメッセージで誰かへ送る方法もあります。投稿用のフォームを作り、匿名でも書けるようにして、日課にするのでもいいと思います。
そうやって意識を向けると、「他社はどうしているんだろう」「自分たちは普段、こういう言葉を使っているかな」と、自然に気づきや関心が出てきます。実際の改善につながることも多いので、すでに取り組んでいるお客様にも勧めています。
月に一度でも、他の人の見方を聞く時間を作る
集まった気づきは、自分の中だけで終わらせず、他の人の見方と照らし合わせてみてください。責任を追及する会議ではなく、同じWebサイトを、他の人がどう見ているかを知る時間にするといいと思います。
自分には良さそうでも、別の人には違って見える。見方を変えると、気づかなかったデメリットがある。そういうことを知るだけでも意味があります。
負担にならない範囲で、月に2回、1時間ぐらいでもいいですし、毎週では重いなら、月末に1〜2時間取る形でもいいと思います。最初は1時間でも十分です。こうして共有していくと、見えてくるものが変わります。
気づきを文字にして、次回も見返す
その場だけで終わらせず、「ここを変えたい」「こうするために、これを知りたい」といったことを、簡単なチェックリストにしてためておいてください。
文字にすると、ぼんやりしていた考えがはっきりし、後から思い出せます。次の月に見返してから、また確認する。後にコンサルタントなどが入った場合も、記録があると多くのことが分かります。
毎日の小さな確認を、月ごとの共有につなげ、言葉にして残す。まずは、その流れを作ってみるといいのではないでしょうか。
やり続けることと、結果を確かめることはセット
何かを始めることと同時に、やったことに意味があったかを、どんな形でも確かめることは必要です。
例えば、「記事を増やした方がいいと言われたので、外注先に週1本投稿してもらっています。でも効果は分かりません」という話があります。それでは、ただ作業を続けているだけになってしまいます。
まずは社内で、意味があるのかを話すだけでもいい。理想的にはデータでも確認する。その前提は持ったうえで、何かをやってみてほしいんです。
私のお客様にも、いろいろな面で余裕が少なく、自分たちで何とかしたいという会社さんが多いです。だからこそ、最適な方法が来るまで待つのではなく、30秒の確認から始め、共有し、文字に残し、確かめる。その積み重ねには大きな価値があると思っています。
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