第405回:Web解析レポートが読まれないのはなぜ?判断に役立つレポートの作り方
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第405回:Web解析レポートが読まれないのはなぜ?判断に役立つレポートの作り方

Aus Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

毎週、毎月、時間をかけてアクセス解析のレポートを作っている。それなのに、送った先ではほとんど見られていない。そんなことはないでしょうか。

作る側としては、「これだけ調べたのに」と思いますよね。ただ、受け取る側も困っているかもしれません。「数字は分かった。でも、これを見て何をすればいいんだろう」と。

このすれ違いを解消するために、レポートを作り込む前に、受け取る人が何を決めたいのかを聞いてみてください。

見る人が何を知りたいか確認してから、項目を並べよう

アクセス解析のツールを使っていると、いろいろなデータを出せます。細かく分けて比較したり、別の切り口で見せたりもできます。そうすると、つい「このデータも載せよう」「これも出せる」と、作る側の発想で項目を増やしてしまいます。

ところが、相手が知りたいことは、そこまで多くないかもしれません。例えば営業の方なら、二つの案のうち次はどちらを使うか決めたい。経営者なら、事業について何かを決めるときに、その根拠となる情報が欲しい。欲しいのは、出せる数字の一覧ではなく、その判断に役立つ情報です。

例えば、50ページの資料を作ったとしても、相手が必要としているのが最初の数ページだけなら、残りのページを作るためにかけた時間は、相手の判断には役立っていません。丁寧に作ることと、相手の役に立つことは、必ずしも同じではないんですね。

ですから、項目を決める前に、「このレポートを見て、何を決めたいですか」と聞いてほしいのです。そこが分かると、どの数字を載せるか、どこまで説明するかも考えやすくなります。

あえて「試作段階」を見せて意見をもらおう

「何が必要なのか、向こうから言ってくれればいいのに」と思うこともあるでしょう。ただ、受け取る方は、どんなデータが取れるかまでは知らないかもしれません。私は、まず分析する側から相手の仕事を聞きに行った方が早いと考えています。

例えば、二つのチラシの反応を比べて、次はどちらを使うか決めたいとします。この場合、先に聞くのは次のようなことです。

  • どちらのチラシを使うか、いつまでに決める必要があるか
  • 細かな数字まで見たいか、大まかな傾向で足りるか
  • こちらが示せるデータで、どちらのチラシを使うか決められるか

そこを聞かないまま、手元の数字を全部並べても、使いやすい資料にはなりません。

「こちらでは、こういうデータを出せます。これがあれば、どちらを使うか決められそうですか」。作る前に、そんなふうに確かめてみてください。完成してから「欲しかったものと違う」と言われるより、お互いに楽なはずです。

試作は手書きで構わない

この段階で、きれいなダッシュボードや資料を作る必要はありません。手書きでも構わないので、相手に渡すレポートの試作を見せてみましょう。

実物に近いものがあると、「この項目はいらない」「ここはもう少し詳しく知りたい」と、相手も答えやすくなります。頭の中で思い描いているものを、言葉だけですり合わせようとするより確実です。

使い続けてもらうためにフィードバックをもらい続けよう

事前に話を聞いても、一度で相手の求める内容をすべて盛り込めるとは限りません。受け取る側も、「このデータがあれば決められるはず」と考えていたものの、実際に使ってみると足りないことに気づく場合があります。

そこで、提出するたびに説明する機会を作り、使った人から意見をもらってください。どこで質問が出るか。どこは読み飛ばされるか。判断に使われていない項目はどれか。相手の反応を見たり、直接聞いたりすることを続けて、次回の報告内容を変えていきます。

もし皆さんがレポートを受け取る側なら、「これでは使えない」で終わらせず、何が分かれば判断できるのかを伝えていただきたいんです。作る人だけで考え続けても、相手の仕事に役立つレポートにするのは難しいものです。

私自身、週次で送るものには数値を載せ、月次では解釈や意見も加える、という使い分けをしてきました。毎回、同じ量の説明を付ける必要はないんですね。相手が何を知りたいかに合わせて、内容も詳しさも変えてよいと思います。

使われないレポートを量産しないために、自動化は後から考えよう

そもそも、届け方がスライドや表でなければいけないわけでもありません。その場で話した方が分かりやすいこともあれば、動画や社内向けの記事が向いていることもあります。

一方、資料だけが別の人へ回るなら、説明を聞いていない人でも意味が分かるようにしておく必要があります。数字だけが伝わって、意図と違う受け取られ方をしては困りますよね。誰が、どこで使うかまで考えて、届け方を選んでください。

自動化を考えるのは、どのような内容と伝え方なら相手の判断に役立つのかが分かってからです。先に自動化してしまうと、読まれないレポートを効率よく作り続けることになりかねません。

数字を集めたり、同じ形式にまとめたりする手間は減らしたい。ただ、数字をどう読むか、次に何を提案するかまで、すべて省けるとは限りません。担当者が考える部分は残しながら、繰り返す作業を減らしていきましょう。

まとめ:作る側と使う側で、レポートの目的を共有する

レポートが使われていないなら、項目を増やしたり見た目を整えたりする前に、相手が何を決めたいのかを聞いてみてください。そして、必要な情報を載せた試作を見せて、「これで判断できそうですか」と聞いてみましょう。

出した後も反応を聞き、内容や届け方を見直していく。受け取る側も、何が足りないのかを具体的に返す。このやり取りがあってこそ、相手が数字を仕事の判断に使えるようになります。

目指したいのは、立派な資料をたくさん作ることではなく、相手が次に何をするか決められることです。どのような情報があれば判断できるのか、レポートを使う人と話し合ってみてください。

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